悪路前提の電動ステーションワゴン『e-アウトバック=トレイルシーカー』 ニッチな存在だが、それもスバルらしさ

公開 : 2026.04.08 18:05

スバル・ソルテラを155mm伸ばした電動ワゴン、e-アウトバックが誕生。広い荷室と、高速道路の速度域を超えても衰えない加速力、急勾配を難なくクリアする走破性を備えます。UK編集部が試乗しました。

ソルテラを155mm伸ばしたステーションワゴン

スバル・ソルテラを155mm伸ばし、ステーションワゴン・ボディを与えたのが、新型バッテリーEVのe-アウトバック(トレイルシーカー)。堂々とした佇まいの、クロスオーバーと呼べる。

フロントノーズからリアドアまでは、ソルテラと基本的に同じ。だが、垂直へ近いテールゲートと水平なルーフで、同社が得意としてきた雰囲気が生み出されている。

スバルe-アウトバック(トレイルシーカー/欧州仕様)
スバルe-アウトバック(トレイルシーカー/欧州仕様)

リアワイパーは巨大。荷室の天井には、アクセサリーを取り付けられるフックが備わる。視認性や実用性を重視したデザインへ、好感が持てる。よりアウトドア志向を強めたモデルとして、サスペンションはオフロードを意識した設定にあるという。

ちなみにソルテラは、愛知県にあるトヨタの元町工場で生産されるが、e-アウトバックは群馬県にあるスバルの矢島工場で生産される。トヨタのbZ4X ツーリングと一緒に。つまり、e-アウトバックはスバル初の量産EVともいえる。

ソルテラへ準じるインテリアに広い荷室

高級感より堅牢性重視のインテリアも、概ねソルテラと同じ。内装の素材は特段上質ではないが、ブルーのレザーシートが組まれた試乗車は、明るい空間に仕上がっていた。

タッチモニターも含めて、ユーザーインターフェイスもソルテラへ準じる。最新版という感じは薄いものの、すぐに使いこなせるシンプルさが良い。後席側は、前後方向に広い反面、駆動用バッテリーがフロアに敷かれるため、上下方向がやや狭めといえる。

スバルe-アウトバック(トレイルシーカー/欧州仕様)
スバルe-アウトバック(トレイルシーカー/欧州仕様)

荷室は広く、容量は633L。リアシートは60:40の分割で倒せ、その操作ハンドルがテールゲート側に用意されている。追って、スキーなど長尺荷物用の開口部が、背もたれ中央に用意されるらしい。フロント側に収納はない。

高速道路の制限速度を超えても衰えない加速

e-アウトバックはツインモーターの四輪駆動で、最高出力は総合381ps。悪路を意識したモデルとして、今回の試乗はオフロードコースが中心だったが、間違いなく速い。高速道路の制限速度を超えても、加速の勢いは衰えないほど。

テスラ級の猛烈さはないものの、アクセルペダルで直感的に速度管理できる。ブレーキペダルの感触もソリッドだ。他方、回生ブレーキは最強にしても弱め。ワンペダルドライブにも対応しない。クルマが自動的に止まる制御は、スバルの哲学に反するらしい。

スバルe-アウトバック(トレイルシーカー/欧州仕様)
スバルe-アウトバック(トレイルシーカー/欧州仕様)

ステアリングの反応は穏やかだが、角ばった形状のリムへ路面の感触が伝わり好ましい。グリップ力は基本的に高く、限界へ達すると、アンダーステアへ転じていく。

乗り心地は、今回の舗装路は極めて平滑で、充分には確かめられなかった。だが、bZ4Xは姿勢制御と快適性のバランスが良い。恐らく、それへ近いはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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