マクドナルドやゲームとのコラボも 規模がケタ違いの北京モーターショーで学んだこと(後編) 欧州車は「伝統」強調【UK編集部コラム】

公開 : 2026.05.15 17:25

提携関係の変化にも注目

注目すべきは、中国企業と海外企業との関係が変化した点だ。現在では、合弁事業において中国企業が技術面での主導権を握るケースが頻繁に見られる。

例えば、リープモーターはステランティスとの合弁事業を通じて、自社モデルを国際的に販売している。ジーリーとメルセデス・ベンツの合弁事業であるスマートにおいても、ドイツがデザインを主導し、中国が技術を提供している。スマートの目玉展示は、おそらく会場で最も小さかったであろう『#2』のコンセプトカーだ。

スマート『#2』コンセプト
スマート『#2』コンセプト    AUTOCAR

一方、プジョーは2台の斬新なコンセプトカーを披露したが、いずれも合弁パートナーである東風汽車が開発したプラットフォームをベースとする。また、フォルクスワーゲン・グループは依然として合弁事業での開発を主導しているものの、技術の分岐は著しく、中国専用プラットフォームを独自に開発しており、その初期の成果が北京で披露された。

しかし、フォルクスワーゲン・グループもその歴史と伝統を活かそうと、さまざまなブランドを立ち上げている。『ジェッタ』はエントリーレベルブランドへと転換され、アウディは奇妙なことに『AUDI』と名付けられた派生ブランドで新たな顧客層へのアプローチを試みている。4つのリングと4文字のアウディブランドが並んでいるのを見ると混乱したが、同社幹部によれば、異なる市場セグメントに対応するという点では理にかなっているという。

複雑だが得るものも多いショー

これが中国の自動車市場であり、北京モーターショーだ。その規模は圧倒的で、変化が絶えず、極めて複雑だが、同時に極めて魅力的でもある。このショーは、業界の未来や中国企業の途方もない野心を垣間見せてくれるだけでなく、老舗の自動車大手がそれらにどう対応し、そこから何を学んでいるかも示している。

中国の自動車メーカーは世界に進出しているが、これまで英国に届いたものは、彼らの能力と野心のほんの一部に過ぎない。17の展示ホールを歩き回った経験から言えることである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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