新型3代目『マツダCX-5』に異変あり 新しい動的質感の方向性は「らしくない」? 多くを背負って選んだ答えとは【渡辺敏史が検証】
公開 : 2026.05.21 14:30
ディーゼルは居場所を追われるばかり
ディーゼルがラインナップから落ちた背景には、間違いなくユーロ7の影響があるだろう。タイヤやブレーキのダストさえ管理しなければならない制限下となるならば、ディーゼルは居場所を追われるばかりである。
それこそ元々は欧州の勝ち筋だったというのに、政治のイニシアチブが環境派に傾けば一気に我を通すことにもなるわけで、幾ばくかのエミッションと引き換えて得られる強力なCO2削減のソリューションは今や風前の灯だ。その欧州市場で古くから少なからぬ票田を持つマツダが、そこに軸足を置いていたことは責めようがない。

というわけで、新型CX-5の主力ユニットとなるのは、2.5L直列4気筒のガソリンユニットに6.5ps/60.5Nmのモーターを付与したマイルドハイブリッド(MHEV)となる。
システムは12Vで構成されており駆動力に大きな貢献は望めない、文字どおりのマイルドだが、マツダとしてはディーゼルに代替する高効率ユニットは来年にこのCX-5への搭載を控える『スカイアクティブZ』を充てており、そちらには高電圧、高出力のモーター駆動アシストが採用される可能性もありそうだ。
整合性が見いだせないタッチパネル
操作系のインターフェース及びインフォテインメントは中国や欧州向けのBEVとなる『EZ-6』で初採用された、中央の大型ディスプレイを軸とするものに改められた。法規対応もあるだろうが、デフロスターなど視界に直結するものがハザードスイッチの周りに置いてあることは評価できる。
でも、他のファンクションも出来れば表にしっかりと残して欲しかった。

もはや独立した物理スイッチを置くことは意匠のみならず、コスト配分的に贅沢でもあるという。そこにきての地理的情勢云々を鑑みれば、機能設定はますますタッチパネルに集約したくもなるだろうが、マツダが散々喧伝してきた0次安全をはじめとするクルマ作りのフィロソフィとそれとはやはり整合性が見いだせない。
高速域になると力不足ぶりが伝わってくる
先代の2Lガソリンを超える燃費性能を実現したという2.5Lのパワーユニットは、大きくなった車体を低回転域からググッとトルクで押し出しているという手応えがある。
タウンスピードでは60Nm級の小さなモーターも要所で健気に黒子に徹してくれているのだろう。エンジン側の回転感自体も軽やかで、中速域の加速などではよく出来たガソリン車の伸びやかさが味わえる。
しかし、さすがにパワーがものをいう高速域になると力不足ぶりが伝わってくるのも事実だ。例えば120km/hレンジでの加減速では、エンジンの唸りの割に速度が乗らないというもどかしさを感じるかもしれない。
ホイールベースが一気に伸びたことで気になるところといえば、先代の美点だった旋回姿勢からも運転実感を伝えてくるニュートラルなハンドリングだが、着座位置と後軸位置との関係からか、状況によっては前側の動きに対して後ろ側の動きに僅かな待ちが感じられる場面もなくはない。でもそれはSUVらしい大らかさとしてむしろ美点に捉えることも出来る類のものだ。




























































































































