新型3代目『マツダCX-5』に異変あり 新しい動的質感の方向性は「らしくない」? 多くを背負って選んだ答えとは【渡辺敏史が検証】

公開 : 2026.05.21 14:30

先代の弱点を徹底的に潰すことに留意

しかし、新型CX-5ではそのハンドリングで応答の漫然さを抑えることを強く意識しすぎたツケだろうか、『走る・曲がる・停まる』の三要素が繋がりにくくなったことの方が気になった。『反応の唐突さを極力廃した正確なインターフェースを手綱とする手の内感』がマツダのクルマらしさだとすれば、先代はその頂点的な位置づけにあったと思う。

ゆえに身内のラージプラットフォームにも劣らない商品力が維持できたし、ディーゼルだけではないチャームポイントとして、数多の強力なライバルに伍することも出来ていた。

スペースが拡大した後部座席。価格は330万円~447万1500円、国内の月間販売計画台数2000台。
スペースが拡大した後部座席。価格は330万円~447万1500円、国内の月間販売計画台数2000台。

そういう感想をエンジニアにぶつけると、新型の狙いとしてはやはり先代の弱点を徹底的に潰すことに留意したという。その中で、マツダ車全般で指摘されてきた乗り心地の粗さの改善にも着手し、CX-5ではマツダの新しい動的質感の方向性にトライしているとのことだ。

ちなみに全国の販売店向けに行ったトレーニングでは、現場のセールスマンの感想は概ねポジティブながら、一部からは「なんからしくない」という反応もあったと正直に教えてくれた。手前味噌ではあるが、察するに恐らく感じられた『らしくなさ』は、自分の疑問符と重なるところがあるのではないかと思う。

変わる悩ましさ

変わらないことに対する期待ばかりに応えていては成長できない。一方で、自らのアイデンティティを守るために変わるわけにはいかないところもある。少ないモデルをスカイアクティブテクノロジーというワンボイスで束ねて強い個性を打ち出してきたマツダゆえ、変わる悩ましさも少なからずあるのだろう。

新しい『マツダCX-5』が果たして市場でどのように評価されるかは、四半世紀以上マツダ車に乗り続けている個人的にも楽しみではある。

新しい『マツダCX-5』は果たして市場でどのように評価されるか?
新しい『マツダCX-5』は果たして市場でどのように評価されるか?    マツダ

マツダCX-5のスペック

マツダCX-5 L(取材車)

ボディカラー:ネイビーブルーマイカ
エンジンタイプ:eスカイアクティブG 2.5
トランスミッションタイプ:スカイアクティブ・ドライブ(6EC-AT)
駆動方式:4WD
価格:430万6500円
オプション価格:22万3300円
合計価格:452万9800円

取材車は新色の『ネイビーブルーマイカ』(左)。以前の同系統色(右)よりも落ち着いた雰囲気だ。
取材車は新色の『ネイビーブルーマイカ』(左)。以前の同系統色(右)よりも落ち着いた雰囲気だ。    平井大介

●装着メーカーオプション
シートカラー/インテリアコーディネーション(スポーツタン):4万4000円
パノラマサンルーフ:12万1000円
●ショップオプション
リフトゲートライト:3万3000円
トノカバー:2万5300円

型式:5AA-KMYSDP
全長×全幅×全高:4690×1860×1695mm
ホイールベース:2815mm
乗車定員:5名
車両重量:1770kg
エンジ型式:PY-VPH型
種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:2488cc
最高出力:178ps/6000-6200rpm
最大トルク:24.2kg-m(237Nm)/3800-4000rpm
燃料供給装置:筒内直接噴射(DI)
モーター型式:MK型
種類:交流同期電動機
最高出力:6.5ps/1000rpm
最大トルク:6.2kg-m(60.5kg-m)
動力用主電池
種類:リチウムイオン電池
個数:9個
容量:10Ah
最小回転半径:5.6m
燃料/タンク容量:無鉛レギュラーガソリン/58L
燃料消費率:14.2km/L(WLTCモード)
市街地モード:10.9km/L(WLTC-Lモード)
郊外モード:14.4km/L(WLTC-Mモード)
高速道路モード:16.2km/L(WLTC-Hモード)
タイヤ&ホイール:225/55R19 99V & 19×7インチアルミホイール(ブラックメタリック塗装)

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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