洗練度の走行感に惹かれる DS No4 E-テンス・パラス(2)フォルクスワーゲンID.3より速い、リニアな速度上昇

公開 : 2026.04.22 18:10

DS4がアップデートされ、No4として再出発。No8を意識したスタイリングに、前衛的なインテリア、洗練度の高い走行感が魅力です。58.3kWhのバッテリーで450km走るEV版を、UK編集部が評価します。

ID.3より速い動力性能は普段使いで不満なし

バッテリーEV版のE-テンスが追加された、DS No4。以前からDSは快適性を重んじてきたから、洗練された電動パワートレインも、パフォーマンス重視ということはない。

それでも、1793kgの車重に213psの最高出力で、普段使いでは不満のない動力性能を叶えている。0-100km/h加速は7.1秒で処理し、フォルクスワーゲンID.3より速いほど。出だしは少し穏やかだが、リニアな速度上昇が気持いい。

DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)
DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

ドライブモードはエコ、ノーマル、スポーツから選べるが、後者でも際立ってスポーティになるわけではない。他方、交差点の発進でアクセルペダルを深く踏むと、太いトルクでフロントタイヤがスリップすることもあるようだ。

回生ブレーキは、ステアリングホイール裏のパドルで調整できる。完全なワンペダルドライブには対応しないが、最強にすればブレーキペダルを踏む回数を減らせる。回生ブレーキがオフの場合、ブレーキペダルの感触が良くなる事へ気付いた。

もう少しシャシー特性は煮詰められる

サスペンションが入力を巧みに吸収し、路面へ吸い付くような姿勢制御で、高速域での安定感は高い。反面、低速域での乗り心地は期待より硬め。ロードノイズは小さいものの、風切り音は少し耳につくようだ。

ステアリングは正確な反応ながら、切り始めの手応えが若干曖昧。フィードバックも乏しい。グリップ力は高いが、軽いとはいえない車重が影響し、積極的な旋回時には僅かに安定性へ陰りが出る。運転へ夢中になれるほどの、一体感は伴わない。

DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)
DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

プラットフォームを共有するプジョー E-308は、滑らかな快適性と鋭い操縦性を巧みにバランスさせている。基本的には穏やかな乗り心地を叶えているものの、優れた快適性をうたうDSだけに、もう少しシャシー特性を煮詰めてもいいだろう。

平均電費は6.4km/kWhで370km前後走れる

駆動用バッテリーは58.3kWhと小さくなく、航続距離はカタログ値で450km。ライバルへ並ぶ距離ながら、クラスをリードするほどでもないだろう。

交通量の多い市街地から、流れの速いバイパスまで、複合的な条件を走らせた今回の平均電費は、6.4km/kWhとまずまず。現実的に、370km前後は走れると考えて良い。

DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)
DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

英国価格は、充実装備のベースグレード、パラスで3万6995ポンド(約777万円)。デュアルゾーン・エアコンやアダプティブ・クルーズコントロールなどが備わる。アルカンターラ内装のトップグレード、エトワールは4万1860ポンド(約879万円)だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

DS No4 E-テンス・パラスの前後関係

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