マスタング用V8にミケロッティの優雅な美貌 メカニカ・マニエロ GT4700(1) 既存グランドツアラーへの反論

公開 : 2026.07.05 17:45

普段はクレーンを製造する職人が作ったシャシー

かくして、アンジェロが選んだのは、フォードのスモールブロック。マスタングやACコブラにも載る、289cu.in(4727cc)の8V-6001 CFユニットだった。最高出力は6000rpmで274ps、最大トルクは3400rpmで43.0kg-mがうたわれた。

普段はクレーンを製造する職人が作ることになる、シャシーの設計にはこだわられた。中央と外周にボックスセクションを備え、前後に別体のサブフレームを組む構造が、抜かりなく開発されたことは明らか。1165kgと軽い、車重にも貢献している。

メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)
メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

サスペンションは、前がウィッシュボーンとラジアスロッド、後ろはロアアームとアッパーアームで構成。ブレーキは前後ともディスクで、リア側はバネ下重量を抑えるためインボード構造が取られている。ステアリングは、ラック&ピニオン式が採用された。

トランスミッションは、ボルグワーナー社製のフルシンクロ4速マニュアル。エグゾーストは、シャシーの内部を貫通し、フェリーへの乗船時に当たることはなかった。

ミケロッティへ伝えられた10項目の要望

スタイリングを担当したミケロッティには、10項目の要望が伝えられた。身長1.8mある大人が2名、快適に過ごせるキャビンであること、荷物を置くのに充分な荷室を備えることなどが提示されたという。

2400mmのホイールベースに合わせた小柄なサイズや、高性能なグランドツアラーへ期待される優雅な美しさも、それには含まれた。しかし、フェラーリのショーカーのために描かれたデザインが転用されるとは、予想していなかったはず。

メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)
メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

この続きは、メカニカ・マニエロ GT4700(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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