フェラーリ用アイデアを小さく展開 メカニカ・マニエロ GT4700(2) 拒絶された量産化 具現化された1人の強い想い

公開 : 2026.07.05 17:50

大人がゆったり過ごせる2シーターのキャビン

2シーターのキャビンは広く、身長170cmの筆者ならゆったり過ごせる。ダッシュボードには、フェラーリも採用していたメーターが並ぶ。スピードは320km/hまで刻まれ、タコは8000rpmまで。3スポークの、ウッドリム・ステアリングホイールが可憐だ。

トランスミッション・トンネルが広く、ペダルは若干オフセットしているが、運転姿勢は自然。4.7LのV8エンジンは、フロントアクスルの後方へ積まれている。

メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)
メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

重いクラッチペダルを踏み、ソリッドな感触のシフトレバーを傾け1速を選ぶ。ギア比がロングで、変速なしに110km/hまで加速できるが、中間のギア比が巧妙にクロスし、すぐのシフトアップでも問題ない。

後方からデフの唸りが響くが、程なくしてV8エンジンらしいトドロキにかき消される。アンジェロは、もっと洗練された音響を期待していたかもしれない。強い違和感を生むほどでもないだろう。

悦に入った理想的なグランドツアラー

出品予定のオークションに向けて整備済みだというが、連続するカーブではフェラーリ330 GTの敏捷性へ及ばない。ステアリングは反応が正確ながら、アシストがなく重い。乗り心地は良いものの、ボディロールは大きい。

少し気張ると、ホイールアーチへタイヤが擦れる。60年近く前に、ミケロッティのチームが修正を施しているはずだが、完全には治っていないようだ。

メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)
メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

とはいえ、アンジェロにとっては些細な問題だったはず。高速道路を快適にクルージングでき、通勤用のフェリーにもスムーズに乗船できる。長時間運転しても、背中が痛くなることはない。理想的なグランドツアラーだと、悦に入っていたはずだ。

協力:ポール・ガーリック氏、ブロード・アロー・オークションズ

メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)

英国価格:−ポンド(新車時)/約40万ポンド(約8400万円/現在)
生産数:1台
全長:4200mm
全幅:1680mm
全高:1230mm
最高速度:257km/h
0-97km/h加速:6.5秒(予想)
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1165kg
パワートレイン:V型8気筒4727cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:274ps/6000rpm
最大トルク:43.0kg-m/3400rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)
メカニカ・マニエロ GT4700 (1967年/ワンオフモデル)

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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