揺れる『日産自動車』の近未来(前編) モデル数を56から45に絞り込む意味【不定期連載:大谷達也のどこにも書いていない話 #6】

公開 : 2026.06.24 11:45

世界を北米、日本/欧州、中国の3地域に区分

では、冒頭で紹介したエクストレイル/ローグとジュークは何かと言えば、日本や欧州向けと推測できる。もしそうだとすれば、これは実に面白い戦略だ。

世界を北米、日本/欧州、中国の3地域に分け、それぞれに適したデザインのモデルを投入する。もちろん、特定のモデルが複数地域で販売される可能性(例えば米国向けモデルを日本でも発売するなど)もあるだろうが、ターゲットとする市場の好みにあわせてデザイン言語をここまで大胆に変える戦略は、これまでに見たことがない。

北京モーターショーで発表された、『テラノPHEVコンセプト』。
北京モーターショーで発表された、『テラノPHEVコンセプト』。    日産自動車

しかも、ひとつひとつのデザイン言語は緻密に練り上げられていて、そのどれもが魅力的に映る。これなら、たとえ総モデル数を絞り込んでも販売台数の増加を期待したくなるのは、私ばかりではあるまい。

仕向地別に異なる仕様を用意するのはエクステリアデザインだけではない。

これまでEVとe-POWER一辺倒と思われてきた日産のパワートレインだが、今後はフレームモデル専用のハイブリッドパワートレインを新たに開発。しかも、パートナーシップを結ぶ自動車メーカーが生産するプラグインハイブリッド(PHEV)やレンジアクステンダーを日産車に搭載することで、顧客の選択肢を広げるという。

*揺れる『日産自動車』の近未来(後編)に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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