【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#36 クラッチ残量は砂上の楼閣!

公開 : 2026.07.10 12:05

やってはいけない不適切行為!

オレ「ひょっとして、新車時から今まで(走行6万5000km)持っちゃったってことはないですか? (大貴族号の)スポーツGTはクラッチの消耗が少ない、みたいな記事を見たことあるんですけど」

岡本「いや、それは絶対ないですね。どんなに持っても3万5000kmです。だから、1~2回はやってると思います」

次の車検まで持つか持たないか、オレは賭けに出る!
次の車検まで持つか持たないか、オレは賭けに出る!    岡本和久

そうなのか……。

言われてみれば、同じシングルクラッチのセミATであるフェラーリ360モデナのF1マチックも、クラッチの寿命は3万kmくらいだと聞く。マセが6万km以上持つなんてあり得ないか。

でも、(20年前の)マセの警告灯はもともと信用できないわけなので、『警告灯が点いてないからリセットされてないだけで、クラッチ残量はもっとあるはず』という推論も砂上の楼閣。結局、「わかりません!」なのである。

まあいいや! どっちにしても、いまわざわざクラッチ交換するなんてあり得ない。なぜってすこぶる快調だし、警告灯も点いてないんだから!

大貴族号は、いつ何が起きるかわからない自動車ラスト・ロマンだ。

なのに、ロマン(≒故障)にビビッて、事前に100万円以上かけてクラッチを交換するなんて、やってはいけない不適切行為である。たとえクラッチ残量が10%だったとしても、ここ5000キロの消耗率からすると、計算上、あと1万キロくらい走れるはず。

つまりざっと2年! 次の車検まで持つか持たないか、オレは賭けに出る! 繰り返すが、これは自動車ラスト・ロマンなのだから!

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は7月24日金曜日公開予定です)

記事に関わった人々

  • 執筆

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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