新型『レクサスES』の美点は普通の人が普通に実感できる! セダン受難の時代でも進化を留めない「作り手の愛」【渡辺敏史が吟味】

公開 : 2026.07.14 11:45

500eのキャラクターに歩を合わせる350h

普通に速度を加減する際のゲインもペダルの操作に綺麗に同調するなど、そのリニアさはBEVならではの素養がしっかり反映されたものといえるだろう。でも、新しいESでより感心させられたのは、そんな500eのキャラクターにしっかり歩を合わせる350hの側だ。

日常的な加減速のタスクをモーターにしっかり担わせ、エンジンに必要以上の稼働を要しない。そしてエンジンが主役となるような場面でも稼働音は徹底して抑えられるなど、その作動の質感はESのスタンスを更に一段引き上げるものとなっている。

500eのキャラクターにしっかり歩を合わせる、350hに感心させられた。
500eのキャラクターにしっかり歩を合わせる、350hに感心させられた。    レクサス

補助金ありきの話であれば、HEVとBEVの価格差が逆転化する状況も考えられる。それでもHEVの商品価値が失われたとは考えられない。

ともあれ新しいESの美点は、動的な質感面において、その個性をやたらスポーティネスを強調するようなところに費やしてはいないことにある。普通の人が普通に実感できるゾーンに美味しい実がきっちり詰まった、そんなクルマづくりが出来ている。

かといって、走らせて運動性能に失望するような素振りはない。クルマに乗って感じる上質な日常を目指していく過程で、力みや山っ気がいい調子で抜けた、そんな達観したまとまり感こそセダンには大事だったりするわけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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