E46型BMW M3の幻ボディが現実に レストモッドと呼ぶのは正しくない ペトロイル・ツーリング、限定50台で約2800万円から

公開 : 2026.08.25 18:05

期待通りの走りでこの上ない充足感

路上での走りは、期待通り。BMW M3 ツーリングへの願い通り。サスペンションのスプリングとダンパーは、ペトロイルのオリジナルで、しなやかに路面の不正を均してくれる。落ち着いた動きの中に、秘めた能力の高さを滲ませる。

ステアリングは重めで、現代の電動パワステと比較すれば、反応は若干スロー。それでも、車重は1570kgと重すぎず、全幅は1780mmと広すぎないから、不満なく機敏な印象を受ける。狙ったラインを正確に辿れ、反応は素直。バランスは素晴らしい。

ペトロイル・ツーリング(英国仕様)
ペトロイル・ツーリング(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

走行距離16万km超えのドナー車から移植されたパワートレインは、その過去をまったく感じさせない。8000rpm近くまで回る自然吸気エンジンが生む最高出力は、342psと控えめで、どこか懐かしい趣もあるが、しっかり能力を引き出したいと思わせる。

リンクにポリウレタン・ブッシュが組まれた、6速MTのシフトレバーはタイトに動く。意のままにギアを選べ、直6ユニットの快音を引き出せる。尖すぎない加速を、誇張されない音響の中で味わえる。その充足感は、この上ない。

理想的な普段使いのクルマの正解か?

最大トルクは、5000rpmで37.1kg-m。ここに到達するまでが、1つの喜び。0-100km/h加速は5.2秒で、決して遅いわけではない。

実用性は、3シリーズ・ツーリングへ準じる。後席には大人が問題なく座れ、荷室の容量は435Lある。テールゲートを持ち上げず、リアガラスだけ跳ね上がる構造も便利だ。

ペトロイル・ツーリング(英国仕様)
ペトロイル・ツーリング(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

予算抜きに理想的な普段使いのクルマを選べるなら、何がベストか考える時がある。ランドローバーレンジローバーや先代のフォルクスワーゲン・ゴルフ R、アウディのRS系も望ましい。しかし、自分は正解をココに見つけた気がする。

ペトロイル・ツーリング(英国仕様)のスペック

英国価格:13万ポンド(約2795万円)
全長:4490mm(標準3シリーズ・ツーリング)
全幅:1780mm
全高:1370mm(標準3シリーズ・ツーリング)
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.2秒
燃費:8.4km/L
CO2排出量:287g/km
車両重量:1570kg
パワートレイン:直列6気筒3179cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:342ps/7900rpm
最大トルク:37.1kg-m/5000rpm
ギアボックス:6速マニュアル/後輪駆動

ペトロイル・ツーリング(英国仕様)
ペトロイル・ツーリング(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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