タイヤ作りを根本から変革する新技術『エンライトン』とは ブリヂストンのパブリックイメージ(後編)【サイトウサトシのタイヤノハナシ 第23回】

公開 : 2026.08.19 12:05

社会実装が実現した『エアフリー』

それから、新世代のタイヤとして現在も実証試験が行われているエアレスタイヤ『エアフリー』も興味深いタイヤです。

少し前に社会実装(≒実用化)の記事をAUTOCAR JAPANでレポートしていますが、現在ブリヂストンのお膝元である小平市では、軽自動車による実証試験が行われています。軽自動車用エアフリーが実用化、なんて話になると(しばらくならないと思いますが)、今や国内販売の約半数を占める軽自動車だけに、大きなインパクトとなりそうです。

軽自動車での実用化ももうすぐ? のエアフリー。
軽自動車での実用化ももうすぐ? のエアフリー。    斎藤聡

代表的タイヤ『ポテンザ』

ブリヂストンを代表するタイヤといえば、やはり『ポテンザ』と『レグノ』でしょう。

ポテンザ・シリーズは、1979年春に発売となったポテンザRE47から始まります。

ストリートラジアル史上最速を追求して作られた、ポテンザRE-71R。
ストリートラジアル史上最速を追求して作られた、ポテンザRE-71R。    斎藤聡

当時、ちょうど足並みを合わせるように、ダンロップからフォーミュラ、横浜ゴムからアドバンが発表され、三つ巴のハイグリップタイヤ競争が勃発します。

サーキット用でもポテンザRE47Sが登場します。ダンロップからは、ダンロップ・フォーミュラR、横浜ゴムのアドバンHF-Rがライバルとして登場ししのぎを削っていました。

当時(1980年代)、セミレーシングタイヤを『Rタイヤ』あるいは『Sタイヤ』と呼んでおり、それがいつの間にかSタイヤと呼ばれるようになっていきました。何となく多数派のRではなくSなんだなあという感想を抱いたのを記憶しています。

ハイグリップストリートラジアルのポテンザシリーズで印象的なのは、初代となるRE47、そして広くその性能の高さが認識されるようになったRE71です。特にRE71はドライグリップ、コントロール性、排水性がよく、とてもバランスのいいタイヤでした。

2015年に発売となったポテンザRE71Rは、ストリートラジアル史上最速を追求して作られ、RE71の名を復活させたのでした。

ラグジュアリータイヤ『レグノ』

ブリヂストンのもう一枚の看板であるレグノ・シリーズは、1981年にレグノGR-01で初登場します。1980~90年代のハイソカー (≒高級セダン)ブ-ムに登場し、静粛性の高さと乗り心地の良さで人気を博して、ラグジュアリータイヤ市場を開拓しました。

そしてここから、ガラパゴス化ともいえる日本のコンフォートタイヤの進化が始まります。

レグノGR-X IIIのトレッドパターン。
レグノGR-X IIIのトレッドパターン。    斎藤聡

CMキャラクターは、ショーン・コネリーです。カッコよかった~! GR-03の「ディ-プだ」という、ショーン・コネリーの吹き替えを務めていた声優の若山弦蔵さんの渋い声は、特に印象的でした。

レグノは静粛性と乗り心地にこだわることで進化を続け、2000年登場のGR7000で、トレッドデザインでできる静粛性はほぼ完成していたように思います。

そして2007年に初めてトレッドデザインに音響工学を取り入れたGR9000が登場します。その次期モデルとなるGR-XT(2011年)で本格的に消音器機能(ヘルムホルツ型と呼ばれる細い入り口と広い空洞を組み合わせ、空気の振動を減衰する消音器)が採用されます。

ちなみに、ヘルムホルツ型消音器はSUV用プレミアムタイヤ=アレンザLX200にも採用されています。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オーバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

サイトウサトシのタイヤノハナシの連載

連載をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法

人気記事