伊仏2台のスモール・ホットハッチ、デルタHFターボ & サンクGTターボ

公開 : 2017.05.21 00:10  更新 : 2017.05.29 19:22

史上最速の1600ccモデルを標榜したデルタHF

クラス・トップの最高速度196km/hを実現したことで、ランチアは「非の打ちどころなき史上最速の1600ccモデル誕生」と胸を張った。

4輪ディスク・ブレーキ、フロントを13%、リアを8%締めあげたスプリング、これに合わせてダンパーの見直しとステアリング・ジオメトリーの最適化を行ったことにより、パフォーマンスは跳ね上がっていた。ランチア信奉者の間で何よりも喜ばれたのがハイ・ファイデリティ(HF)という、70年代のラリー・マシン、ストラトスが使用した称号の復活である。

デルタHFターボは好評をもって迎えられ、Motor誌は「猛烈なパンチ」、「驚くほど均整のとれたハンドリングと卓越したトラクションのおかげですべてのパワーを活かしきれる」と評した。

それから2年、ホットハッチ革命は絶頂期を迎える。フィアットからはウェーバー40DCOEツイン・キャブレターを武装した古典的ロード・レーサー、アバルト130TCが、日本からは新たな時代の到来を予感させるホンダCR-X、三菱コルト(日本名ギャラン)1600ターボが短期間に発表された。

その他にもフィアットは2作目として、パワーはありながらも洗練度はいま一つだったウーノ・ターボを、MGは強烈な2.0ℓユニットが印象深いマエストロEFiを、さらにプジョーは時を待たずしてホットハッチの新たな王者となる、自然吸気モデルの205GTI(走りとバランスを兼ね備え、ドライビングの新境地を打ち立てた)を投入したのだ。

グレー地に赤字のデカール。これこそ80年代テイスト。

シュペール・サンクのハイ・パフォーマンス・モデル、GTターボ

そんな中、経営危機にあえぐルノーは、既存モデル「ル・カー」をベースにした新型車の開発を推し進める。こうして登場した「シュペール・サンク」は、4億ポンドもの投資をしたにも関わらず10%の軽量化と6%の空力性能向上に留まり、トレード・マークであるショッピング・カートを逆さまにしたような味気ないスタイルはそのままであった。しかしながら、ボンネットの中身はそれまでの縦置きパワートレインに別れを告げ、より一般的な横置きユニットに換装されていた。

待望のハイパフォーマンス・モデル、サンクGTターボがデビューするまでに、丸1年も待たなければならなかったが、結果的には待つだけの価値が十分にあるものだった。

従来のシエラ・エンジン、あるいはC-エンジン/C-タイプなる名でも知られる1289ccのクレオン・フォンテ・ユニットは、1397ccにボア・アップされていたが、1962年のオリジナル設計同様、クランクケース横にマウントされた、チェーン駆動のカムシャフトがプッシュロッドとロッカー・アームを動かすことで上部のバルブを開閉するという、いわゆるOHVを採用した。

ギャレット製T2ターボチャージャーと空冷式インタークーラー、それにシングル・チョークのソレックス32DISキャブレターがこれに加わる。

奇抜な5スポークアロイ。

軽い車重が生み出すサンクGTターボの俊足

車重をわずか820kgに抑えたことで0-97km/h加速は7.1秒という駿足ぶりだ。Car誌によるプジョー205GTiとホンダ・シビックCR-X 1.6とのテスト企画では「他と比べものにならないほど速いうえ、ハンドリングに優れ、ステアリング・フィールと制動能力についてはベストである」というコメントが残されている。

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