新型ポルシェ911 GT3 RS試乗 熟成極める991後期型 まるでミドシップ

公開 : 2018.05.01 10:10  更新 : 2018.06.20 15:13


どんな感じ?

まずはニュルブルクリンクを助手席で

わたしにとって初めてのGT3 RSの乗車体験は、ニュルブルクリンクGPサーキットを、ヴァルター・ロールがドライブする助手席から。彼は世界で最も速い70歳代の男のひとりで、これまで何年もの間、911のGTモデルの開発に携わってきたエキスパート。買い物に行くかのように気軽に運転しているようだが、実際はエンジンは9000rpmのリミッターめがけて唸り、時々ドリフトさせるものだから、かなり酔ってしまった。

とてもきついS字コーナーの後に、長いストレート。ヴァルターはコーナリング中に、「ターンインはこんな感じで……えっと」と話しながら、ステアリングから手を話して、指をこすってジェスチャーをするのだ。この運転スタイルは、同乗者の動揺を招くので、われわれは一切お勧めしない。背筋が凍る。

GTシリーズのポルシェの特長は、一般的なクーペボディなのにも関わらず、そのエンジニアリングの完璧さをしっかりと感じられるところにある。まるで、モンテカルロ・ラリーで優勝したランチア037のようだ。このGT3 RSはまだ、世界ラリー選手権での2回の優勝や、ルマンでのクラス優勝を成し遂げているわけではないけれど、可能だと思える。

ドライビングポジションやコクピットの環境は、純粋で、俊足なポルシェのそれ。希望ならアルカンターラで贅沢に覆うことも可能だし、背もたれが固定されたホールド性の高いシートに、調整幅の大きいステアリングホイールが備わる。賞賛に値するしつらえだと思う。しかもGTシリーズは、生産ラインでは優先的に組み立てが行われるのだ。

ペダルはふたつのみで、足元のスペースも広い。ツインクラッチのPDKが標準。

そして気がつくと、わたしの手にはGT3 RSのキーが。差し込んでエンジンをスタートさせる。

自分でのドライブは予想していなかった。オーマイゴッド!

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