アルファ・ロメオ・ステルヴィオ vs ポルシェ・マカン・ターボ 新型SUV クラス頂上対決

公開 : 2018.05.11 23:59  更新 : 2018.05.15 16:14

アルファ・ロメオ・ステルヴィオの中でも、510psが与えられたクアドリフォリオは特に、ドライバーズSUVとして評価できる1台。しかし、このクラスでのベストとわれわれが位置づけていたポルシェ・マカンを超えることはできるのでしょうか。リチャード・レーンが2台の実力に迫ります。

もくじ

15年前ならスポーツクーペを比較した地で
存在感の強いアルファとハンサムなポルシェ
両ブランドらしい魅力の車内
不満の残るポルシェのハンドリング
拮抗する2台の差
結論 走りに拘るドライバーには
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオのスペック
ポルシェ・マカン・ターボ・パフォーマンスパッケージのスペック

15年前ならスポーツクーペを比較した地で

英国南西部に広がるウェールズの丘陵地帯に来てしたことといえば、15年ほど前なら、車高の低い2台のクルマを比較して、どちらが純粋なスポーツカーかを確かめることだった。今日日、比較するクルマは、操縦性の良さということ以上に多くのひとびとから支持を集めている、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)。21世紀になって、世の中は大きく変化したものだ。

一方で、クルマ2台を並べてここ来たという事実は、15年前と変わっていない。今回の主役は、現在のクラスリーダーとわれわれが位置づけているポルシェ・マカン・ターボ・パフォーマンスパッケージと、新登場のアルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ。この背の高いクルマは、類まれな優れたドライビングを実現していることがわかっている。広々とした大地に続く、舗装路でのテストをする価値が充分あると判断したのだ。

そう、どちらの方が、より良いのか。

アルファ・ロメオからリアドライブのサルーンが復活したことを喜んだ、純粋なドライバーたちは、おそらくこのSUVの存在を疑問視していることだろう。しかし、サルーンとの類似点も少なくないことは、認めなければならない。

ジョルジオと呼ばれるクルマの骨格、プラットフォームは、10億ユーロ(1330億円)もの巨額を投じて開発され、アルファ・ロメオのサルーンだけでなく、SUVにも採用される前提で進められた。さらに、フェラーリのF154 V8ユニットをルーツとする2.9ℓツインターボエンジンも、共通している。

そして、この特別なクルマへの、マラネロの影響はほかにもある。フィリップ・クリーフとう名前に聞き覚えのある読者もいるだろう。彼は元フェラーリのエンジニアで、458スペチアーレで素晴らしいシャシー設計を行なった人物。そして、BMW M3コンペティション・パッケージに劣らないハンドリングを、ジュリア・クアドリフォリオに与えた。

彼は4輪駆動への変更と、重心高の設定以上の関与をしていることは間違いない。そしてアルファ・ロメオ復活へのプロセスは、軌道に乗っているように思える。

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