【ホットハッチ越えた?】俊足クロスオーバーの実力を試す フォルクスワーゲンTロックR vs BMW M135i 後編

2020.02.15

サマリー

フォルクスワーゲンから登場した俊足クロスオーバーモデル、TロックRと、当代最高のホットハッチの1台であるBMW M135iの比較テストです。この2台のどちらがより高いドライビングプレジャーを与えてくれるのか、雨のウェールズを舞台に比べてみました。

もくじ

まるでデルタ・インテグラーレ
2地点間の速さ
ホットハッチという魔法
各車のスペック
番外編:ホットハッチのライバルたちを振り返る

まるでデルタ・インテグラーレ

路面に追従しながらも見事にその起伏をいなすというこの能力によって、このクルマはクラス最高の1台であるとともに、今回のテストでもベストな存在であることを証明している。

この点で言えば、TロックRはまるで古のランチア・デルタ・インテグラーレのようであり、ボディコントロールだけで見事に路面不整を処理してみせる。

まさに相応しい組み合わせだった。BMWが4WDのホットハッチを創り出したのはこれが初めてであり、フォルクスワーゲンのR GmbHがクロスオーバーモデルを手掛けたのは、5.0Lの排気量を持つV10ディーゼルエンジンが86.7kg-mの大トルクを発揮していた2008年のトゥアレグR50以来だったのだ。いまならそれほど多くのドライバーを惹きつけることは出来なかっただろう。
まさに相応しい組み合わせだった。BMWが4WDのホットハッチを創り出したのはこれが初めてであり、フォルクスワーゲンのR GmbHがクロスオーバーモデルを手掛けたのは、5.0Lの排気量を持つV10ディーゼルエンジンが86.7kg-mの大トルクを発揮していた2008年のトゥアレグR50以来だったのだ。いまならそれほど多くのドライバーを惹きつけることは出来なかっただろう。

最高のモーグルスキーヤーの滑りを見れば、わたしの言いたいことが理解できるはずだ。

だからこそコーナーにも速いペースを保ったままで進入することが出来るのであり、それこそがTロックRのパフォーマンスでもっとも驚かされる点となっているが、それもBMWには及ばないかも知れない。

見事な回頭性を見せるこのクルマでは、アルミニウム製のフロントサブフレームと新たなエンジンマウントが間違いなく効果を発揮している。

さらに、この優れたコーナリングパフォーマンスは、驚異的なオフセンターでのレスポンスを返すステアリングによって、なんの乱れも感じさせることなく達成されているのだ(このステアリングもゴルフR譲りであり、この可変レシオを持つステアリングラックは常に見事なギア比を感じさせる)。

スタンダードなサスペンションセッティングであってもほとんどロールを見せることはなく、フォルクスワーゲンのトレードマークとも言える見事な中立性を味わわせてくれる。

素早くコーナーへ侵入したかと思うと、落ち着きを保ったままそのままのペースでスムースに脱出してみせるこのクルマで問題を指摘するのは難しい。

2地点間の速さ

だが、M135iへと乗り換えてみると、高いスカットルと低いルーフラインに低重心を組み合わせたこのクルマのキャビンは、より包み込まれている様なフィールを感じさせてくれる。

さらに、乗り心地はまさにホットハッチのそれだが、決して硬すぎるという訳ではない。

残念ながら、Tロックのインテリアはゴルフのレベルに達していない。
残念ながら、Tロックのインテリアはゴルフのレベルに達していない。

TロックRに比べればステアリングは間違いなく路面からの影響を受けやすく、そのクイックだが弾性を感じさせるフィールは慣れるまでに時間を要するが、タイヤとドライバーとの間にある介在物が少ないことで、よりダイレクトな感触を伝えて来る。

この2台のコーナリングを比べてみれば、TロックRでは入力に対するレスポンスに遅れがあることに気が付くだろう。

その車高の高さにもかかわらず前方視界に優れる訳ではないが、その分自信を持ってコーナーへと突っ込むことが出来る。

特にダンパーをもっとも柔らかいセッティングにした場合、TロックRのほうがより長距離移動には適したところを見せる。

さらに、キャビンへと乗り込むのもより容易であり、後席の住人はM135iよりもつねに高い快適性とリラックス感を味わうことが出来るだろう。

実際、グリップとトラクションを使い切るようなドライビングでも試さない限り、2地点間の移動において、T-Roc Rの方がM135iよりも速かったとしても決して驚きではない。

それでも、ラゲッジスペースに関しては予想に反してクロスオーバーの圧勝という訳ではない。その差はわずか12Lであり、深さではハッチバックのほうに分がある。

 
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