【アルピーヌA310とロッチデール、ロータス】英編集部お気に入りのFRPスポーツを選出(1)

公開 : 2020.03.28 07:20  更新 : 2020.12.08 10:55

ロータス・エリートSE

初のFRPモノコック構造のロードカー

Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)

FRP製ボディのスポーツカーの中で、最も先駆者的存在といえる、ロータス・タイプ14ほど重要なモデルはないだろう。いわゆる、エリート。小さなロータスを特別なスポーツカーたらしめた原因は、素材がFRPだっただけでなく、その用いられ方にもある。

ロータス・エリートSE
ロータス・エリートSE

軽量なパネルで独立シャシーを補強するのではなない。FRP自体で負荷を受ける、ボディとシャシーが一体のFRPモノコック構造を採用した、初めてのロードカーだった。

F1が同じ構造を採用するのは、1962年まで待たなければならない。もちろん、フロントのサブフレームなど、最低限の部分はスチールが用いられていた。エンジンの重量をボディ全体へ分散させる役目があった。

ほかにも、窓のフレーム、ドアヒンジ、ジャッキアップ・ポイントなどは金属製ではある。だが、基本的な構造はグラスファイバーが受け持っている。その結果、車重は650kgと信じられないほど軽量に仕上がった。

ピーター・カーワン・テイラーのデザインをジョン・フレイリングとフランク・コスティンがまとめた有機的なボディ。自由度の高い造形も手伝い、Cd値は0.29と空力抵抗にも優れている。

ロータスを専門とするディーラーのポール・マティは、「滑らかなので風切り音はほとんどありません。高速時はクオーターウインドウを開けないと、車内に空気が流れ込んできません」 と話していた。

ポール・マティほど、ロータス・エリートに詳しい人物はそうそういない。生涯をかけてロータスのクルマの販売とメンテナンスに打ち込んできた。コーリン・チャップマンの偉業を、誰よりも認めているともいえる。

チャップマンの信じていたすべて

シルバーとグリーンのエリートは、ポール・マティ個人のコレクション。「ボディは、芸術作品のようです。以前、ロンドン在住の人のために、赤いエリートを修復したことがありました。彼は仕上がったクルマを、スポットライト付きのガラスケースのようなラウンジに飾ったんです」

その考えも、わからなくはない。だが、エリートの美しさを多くの人に見てもらうべきだし、道路を支配するような走りを楽しむべきだと思う。

ロータス・エリートSE
ロータス・エリートSE

マティのエリートは、1962年にヘセルの工場をラインオフした、SE。スペシャル・エクイップメントの略だ。1957年にロンドン・モーターショーでお披露目された初期のクルマから、多くの改良が加えられている。

MGA由来のトランスミッションは、滑らかなZF社製の4速へ。キャブレターはSUツインとなり、エグゾースト・マニフォールドも手が加えられている。サーキットでは期待を裏切らず、スイス製ムーブメントのように滑らかな変速を披露した。

コベントリー・クライマックス・エンジンの最高出力は84psに留まるが、宝石のようにまばゆい。4000rpm付近でボディシェルにノイズが共鳴することを除けば。

「精彩さと軽さで、ほかのクルマとは一線を画します。チャップマンの信じていたすべてが表れています」 とマティが話す。実際に所有するには、努力も必要だと認める。

「現役時代は信頼性の低さも有名でした。オーバーヒートとトランスミッションが特に。リアホイールのベアリングも弱点でしたが、今は生涯使える対策品が組めます。ほぼ、多くの問題は解決できます。すべてが完璧だったら、エリートとは呼べませんよ」

ロータス・エリート

最高速度:189km/h
0-96km/h加速:11.0秒
燃費:12.3km/L
乾燥重量:656kg
パワートレイン:直列4気筒1216cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:84ps/6250rpm
最大トルク:10.3kg-m/3750rpm
ギアボックス:4速マニュアル

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