【Iペイスの新しい挑戦者】新型 アウディeトロン・スポーツバックへ試乗

公開 : 2020.04.08 10:20  更新 : 2020.04.08 11:29

SUVライクなアウディeトロンをベースに誕生した、クーペボディのeトロン・スポーツバック。低い重心高と優れたシャーシー性能で、ドライバー志向のモデルだといえそうです。英国編集部が、ドイツ・ミュンヘンで評価しました。

もくじ

ジャガーIペイスへの新しいチャレンジャー
ツインモーターで407psと67.6kg-m
機敏な加速に抜きん出た洗練性
中高速のコーナリングが特に光る
ドライバー志向の純EV SUV
アウディeトロン・スポーツバック55(英国仕様)のスペック

ジャガーIペイスへの新しいチャレンジャー

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ゼロ・エミッションSUVとして高い評価を得たジャガーIペイス。アウディから新しいチャレンジャーが登場した。名前はeトロン・スポーツバック 55クワトロ。ベルギー・ブリュッセルにある工場で生産される。

名前のとおり、2019年に英国へ上陸したeトロン 55クワトロのスポーティ度を高めたモデル。大きく弧を描く、クーペ風のルーフラインとリフトバック・テールゲートが大きな違い。

アウディeトロン・スポーツバック55(欧州仕様)
アウディeトロン・スポーツバック55(欧州仕様)

バンパーやヘッドライトのデザインはアグレッシブなものに改められている。デジタル・マトリックスLEDヘッドライトの眼光が鋭い。アウディが3年前に発表したエレーヌ・コンセプトに似た、シャープなプロポーションを獲得している。

アウディの高性能バージョンで見られるデザイン要素も取り入れられている。だが、Iペイスほどの個性はないようにも思う。

空気抵抗は優秀で、Cd値は0.25。量産されるSUVカテゴリーの中では、最も空力性能に優れるモデルとなる。同じ純EVとなるジャガーIペイスのCd値は0.4で、大きな差といって良い。

従来の鏡にかわって、カメラ映像を用いた小さなバーチャルミラーを用いたことも、空力性能に貢献しているはず。インテリア周りでは、スポーツバックではないeトロンの良さを受け継いでいる。

見た目や触感など知覚品質は高く、ダッシュボードや操作系、内装パネルの造形や素材など、すべてにプレミアム感が漂う。前席のスポーツシートはオプション。快適で広々とした運転環境にまとめている。

ツインモーターで407psと67.6kg-m

一方の後席は、20mmほど低いカーブを描いたルーフラインのおかげで、少しの我慢が必要。テールゲートも大きく寝かされ、通常のeトロンより荷室容量は45L小さい、615Lとなる。それでもなお、Iペイスより58Lも広い。

全長は4901mmで、全幅は1935mm、全高は1616mm。比較すると、アウディのフラッグシップSUV、Q8より85mm短く、60mm狭く、89mm低い。

アウディeトロン・スポーツバック55(欧州仕様)
アウディeトロン・スポーツバック55(欧州仕様)

eトロン・スポーツバックがベースとするのは、通常のeトロンと同じMLBエボ・プラットフォーム。ホイールベース内にLG化学製の95kWhという大きなリチウムイオン・バッテリーを搭載する。

パワートレインも通常のeトロンと共通で、仕様が異なる2基のインダクション・モーターを搭載。フロントに搭載されるモーターは、183psと25.1kg-m。リアのモーターは、224psと32.0kg-mを発揮する。

システム合計では、セレクターレバーをSに入れた状態で最長8秒間発揮できるオーバーブースト時で、最高出力が407ps、最大トルクが67.6kg-m。Dの状態では効率が優先され、360psと57.1kg-mに制限される。航続距離を伸ばすことにもつながる。

2基のモーターには、それぞれシングルスピードのトランスミッションが組み合わさり、前後のタイヤを駆動。1台のパワー・コントローラーで統合制御される。

Sレンジを選びアクセルを深く踏み込んだ場合など、強いパワーが必要な場合に限り2基のモーターが稼働する。基本的にはリアモーターが主役。ロスを減らすことで、通常のeトロンより11kmほど長い445kmの航続距離を確保している。

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