【最後のロータリーエンジンをたしなむ】マツダRX-8 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.05.28 10:20

ロータリーエンジンの興奮は、乗らなければわかりません。その最後の入口となるのが、4シーターのローターリー・スポーツ、マツダRX-8。手頃な価格でオーナーになれることも魅力です。英国編集部が注意点を解説します。

もくじ

マツダ最後のロータリーエンジンとなるのか
しっかりした知識と整備が不可欠
不具合を起こしやすいポイント
専門家の意見を聞いてみる
知っておくべきこと
いくら払うべき?
英国で掘り出し物を発見

マツダ最後のロータリーエンジンとなるのか

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
マツダRX-8は、英国で販売された最後のロータリーエンジン車だ。マツダは長所を活かし、ハイブリッド用パワートレインとしてロータリーエンジンの採用を検討しているようだが、復活は叶うだろうか。

フレンドリーな外観を持つ4シーターのスポーツカーには、1.3Lという小さな排気量のユニットが載っている。クラスをリードする動的性能を誇り、世界の走りを重視するクルマ好きから支持された。

マツダRX-8(英国仕様)
マツダRX-8(英国仕様)

改良を受けたロータリーエンジンは、9500rpmでレッドラインが切られている。しかもマツダRX-8の車重は1400kgを切っていた。

前後重量配分はほぼ50:50で、リアヒンジのフリースタイル・ドアと呼ばれる補助的なリアドアを装備。クーペのボディには、いま見ても稀有なパッケージングが与えられている。当時のマツダは、クワッド・クーペと呼んでいた。

RX-8が発表されたのは2003年。英国では192psのエントリーグレードと、231psのトップグレードの2種類が選べた。日本も含め、多くの市場ではATも選択できたが、英国に入ってきたRX-8はすべてMTだった。

2008年にマイナーチェンジを受け、スタイリングを手直し。サスペンションは引き締められ、加速の向上を図るために、トランスミッションはショートレシオのものへ変わっている。

何事も終わりは来るもので、RX-8は欧州の厳しい排出ガス規制をクリアできず、2010年に英国での販売を中止。2012年には広島での生産も終了してしまった。

しっかりした知識と整備が不可欠

今のところRX-8は、日産350Zや4代目トヨタ・スープラ並みの、カルト的な日本車ブームのステータスを得ていない。夏休みをマヨルカ島で過ごす費用より安く、充分に楽しめる中古車を英国では手に入れることができる。

ただし、やはり安いクルマほど注意は必要。特にRX-8では当てはまる。

マツダRX-8(英国仕様)
マツダRX-8(英国仕様)

ロータリーエンジンの維持には、状態が良くてもそれなりの費用が必要。ガソリンタンクの中身は、穴が空いているかのように燃えてなくなる。エンジンオイルの消費も少なくない。すべて、ヴァンケル・ユニットの特徴でもある。

マツダも、RX-8は1600km毎に250ccのエンジンオイルを消費することを認めている。推奨されている整備タイミング以上に、手間をかける必要がある。

一見状態の良いRX-8が安価に売られている理由は、エンジンのローターが時間とともに摩耗するため。混合気が隣の燃焼室内へ流れてしまい、圧縮比が下がり効率も下がる。パフォーマンスも低下し、最終的には故障に至る。

ちゃんとした売り手は、中古車として店先に並べる前にローターの圧縮をテストすることが多い。健全なRX-8かを調べる方法といえ、通常のレシプロ・エンジンでは行わないものだ。その結果に、売り手自ら落胆するかもしれないが。

一般的に、遅くても9万6000km毎には、エンジンの重点的なサービスが必要といわれている。走行距離と整備記録や明細の内容を確認して、ちゃんと試乗をしてから、現状では最後のロータリーエンジンを手に入れたい。

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