【毎年改良のメーカーも】クルマの頻繁な「改良」メリット/デメリット OTA導入で頻度さらに高く? 

公開 : 2021.03.25 05:45

スバルやマツダは改良を頻繁におこなっています。システムを最新化する「OTA」導入で改良の頻度はさらに高くなる?

のびるモデルライフ、増える改良

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

自動車が庶民に普及していった昭和の時代、新型車が登場するのは、およそ4年のサイクルであった。

そして、そのちょうど中間となる2年目にマイナーチェンジと呼ぶ、改良が実施されていた。

レクサスIS(2013年に登場した現行型は2020年に大幅改良実施)
レクサスIS(2013年に登場した現行型は2020年に大幅改良実施)

ところが昭和から平成へと時代が変わると、それにあわせるかのようにフルモデルチェンジのサイクルはのびてゆく。

4年ごとにフルモデルチェンジをする車種は、どんどんと減ってゆき、新車から6年、8年もたって、ようやく新型車にバトンタッチすることも珍しくなくなった。

このフルモデルチェンジまでのサイクルの長期化の理由は、技術の進化と社会環境に求めることができるだろう。

第1の理由となる技術の進化により、クルマの信頼性は普及初期の1960~70年代から劇的に向上した。

新車から4年どころか10年たっても壊れずに普段どおりの使用が可能となったのだ。さらに国内マーケットだけでなく、世界市場でも日本のクルマは販売されるようになる。

当然のように、開発費は高騰。4年ごとにフルモデルチェンジするのは、正直、自動車メーカーにとっては大きな負担となってしまったのだ。

スバルマツダは頻繁に改良

そこで注目されるようになったのがマイナーチェンジだ。

かつての昭和の時代であれば、新車から次のフルモデルチェンジの間のマイナーチェンジは1回だけ。

スバル・フォレスター(2018年の現行型発売以来2度の改良が施された)
スバル・フォレスター(2018年の現行型発売以来2度の改良が施された)

しかし、フルモデルチェンジまでの期間がのびれば1回では足りなくなる。そのため「一部改良」、「小改良」という呼び方で、小さなマイナーチェンジが実施されるようになる。さらに、大規模な改良であれば、「ビッグマイナーチェンジ」という呼び方も生まれた。

そうした流れの中で、「年次改良」という呼び方などで、毎年のように改良を実施するメーカーが登場した。それがスバルとマツダだ。

そもそも、欧米の自動車メーカーは、日系メーカーよりも頻繁に改良を実施する傾向があった。そのため「最終年度のモデルが最も完成度が高い」という見方もあり、輸入中古車に関して最終年度型の相場が高くなることもあったほどだ。

そうした頻繁な改良をスバルは、遅くとも平成初期のレガシィの時代から、すでに実施していたのだ。

また、マツダはスカイアクティブ・テクノロジーを採用した第6世代商品群を導入した2010年ごろからおこなうようになっている。さらに、トヨタホンダに関しても、改良の頻度は高くなっており、日系メーカー全般の傾向になりつつある。

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