ハンドリング by ロータス 前編 キア・エランへ再試乗 オリジナルの美点を継承 

公開 : 2021.11.01 08:25

ロータスの良さが受け継がれている

いすゞのターボエンジンより、重量も軽いのではないだろうか。ロータス・エランはアンダーステアが条件次第で出ていたが、キアはアクセルペダルを放してステアリングを切り込めば、ノーズを巻き込んでいける。

車高はロータス時代より高めてあるが、中国ブランドのタイヤを履いていても、コーナリング限界は驚くほど高い。不思議なほど乗り心地も良い。オリジナルの良さが受け継がれている。

キア・エラン(1996〜1997年/欧州仕様)
キア・エラン(1996〜1997年/欧州仕様)

外から眺めると、柔らかいサスペンションがボディを傾ける様子がわかる。しかし乗っている限り、しっかり抑制され正確な操縦性を楽しめる。大きなエアバッグが付いたステアリングホイールは見た目が悪いが、フィーリングも記憶以上に良かった。

それでは、もしキア・エランの中古車が豊富にあり、筆者が初代マツダロードスターのオーナーだったとして、買い換えようと思うだろうか。恐らく答えはノー。ロータスのM100エランと同様に、改めて評価する部分は多い。でも恋には落ちない。

ただし、ロータス・エランとキア・エランが同じ条件で並んでいたとして、ロータスを選択するのが必ずしも正解だとは思わない。ブランドイメージが左右するとはいえ。

25年ぶりにM100エランを運転できて、うれしかった。新車時代は評価が伸びず、課題も少なくなかった。だがクラシックカーとして使い勝手は良く、個性が濃く、技術的な特徴も多い。

記憶に残るドライビング体験を味わえる、キア・エラン。今の時代にあって、従来以上に輝きを増しているように思う。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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