レクサスNX 詳細データテスト 内装とインフォテインメントは大幅に進歩 動力系と乗り心地は要改善

公開 : 2022.03.26 20:25  更新 : 2022.03.27 14:56

レクサスNXの2代目は、初代の強みを伸ばしつつ、全方位で改善を試みたことがはっきりと読み取れます。ただし、350h+の動力性能は日常使い向きで、優秀なシャシーも外観から期待するほどシャープではありませんでした。

はじめに

初代レクサスNXは、2014年に登場した。そしてわれわれは、おおむねポジティブな意味で、その見た目に大きなショックを受けた。テレビCMは、緊張性頭痛を生みそうなカクカクした街を走る映像で、折り紙のように直線的な顔のキツネまで現れ、NXのエッジが効いたデザインを表現した。

これだけの角を散りばめたなら、丸めたアルミフォイルのようになりそうだと思ったものだ。そうでなかったのはたいしたものものだが、その考えが完全に払拭できたわけではない程度にはギザギザしていた。

テスト車:レクサスNX350hプレミアム・プラスパックAWD
テスト車:レクサスNX350hプレミアム・プラスパックAWD    MAX EDLESTON

新型でも同様のデザイン手法を採ったことから考えて、レクサスは初代NXの、カミソリのようにシャープなルックスが気に入っていたようだが、そうなるには相応の理由がある。このミッドサイズSUVはブランドのベストセラーとなり、欧州では比較的薄かったレクサスの存在感を強めるのに貢献した。おそらくはもっとも競争の激しいセグメントで、それなりのシェアを手に入れることができたのである。

今回テストする2代目NXは、シェア倍増を目論んでいる。それはすなわち、アウディQ5メルセデス・ベンツGLCBMW X3、そしてレンジローバー・イヴォークといった、強力なライバルたちの購買層を取り込もうと狙っていることも意味する。

そのゴールを目指すための変化は、小さいけれど意味があるものだ。外観は先代のファインチューンといった程度だが、その中身の変化は幅広い。市場によってはエンジン単体モデルも用意されるが、ラインナップの主体はハイブリッドとなり、もっともパワフルな最上位グレードのNX450h+は初設定のプラグインハイブリッドだ。

プラットフォームは全面刷新。レクサス・インターフェイスと呼ばれる最新バージョンのインフォテインメントシステムは、先代における最大の弱点を是正するに違いない。

もし、そうした改良で乗り心地や経済性を改善しながら、高級感や個性が損なわれていないなら、新型NXは引き続き、この人気セグメントでのレクサスの上り調子を支えていくことになるだろう。はたして、その実力やいかに。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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