レクサスNX 詳細データテスト 内装とインフォテインメントは大幅に進歩 動力系と乗り心地は要改善

公開 : 2022.03.26 20:25

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

NXは、ドイツ車ではないというだけでも十分なアピールになるが、プレミアム感ではドイツ勢に負けないものがある。デザインは内外装とも、全体的な効果の小さからぬ部分を占めているが、製造クオリティの貢献度も無視できない。加えて、PHEVの450h+をラインナップしたことにより、テクノロジー面でも見劣りしなくなった。

価格の手頃さに関しては、新型でもやはりレクサスの強みとなっている。エントリーレベルの前輪駆動モデルは4万ポンド(約620万円)を切り、アウディQ5 40 TDIやそれと仕様が同レベルのBMW X3の価格を下回る。それでいて、標準装備の内容はかなり高いレベルだ。このプライス面のアドバンテージは、PHEVでも同様だ。とはいえ、グレードやオプションパックなどの選択で、値付けは大きく変わる。

プレミアム・プラスパック装備車なら、NX350hは競合するアウディやボルボを退ける。4年後の残価率はほぼ50%だ。
プレミアム・プラスパック装備車なら、NX350hは競合するアウディボルボを退ける。4年後の残価率はほぼ50%だ。

テストした350hのAWDモデルは、ベース仕様が4万750ポンド(約632万円)だが、Fスポーツ仕様は5万ポンド(約775万円)を超える。マークレヴィンソン製オーディオや手の込んだインテリア、エレガントなホイールなどを装着したタクミ仕様となると、5万5000ポンド(約853万円)近い。オプション抜きでも、ポルシェ・マカンSが買える金額だ。

われわれとしては、350hの標準仕様に、8000ポンド(約124万円)相当のオプション38品目を含むプレミアム・プラスパックを追加すれば、ほぼすべてのオーナーのニーズを満たせると考える。

燃費に関しては、NX350hはA級道路を流しているときがベストだ。パワートレインはEV走行とエンジン走行を容易に使い分けでき、ストレスを感じさせない。そうしたルートでは、18km/L近い燃費が期待できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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