トヨタRAV4のライバル キア・スポーテージ PHEVへ試乗 的を射たクロスオーバー

公開 : 2022.04.30 08:25  更新 : 2024.07.23 10:51

5代目へモデルチェンジしたスポーテージに、PHEVが登場。的を射た仕上がりだと、英国編集部は評価します。

1.6Lガソリンターボ+モーターで264ps

韓国キアの売れ筋クロスオーバー、スポーテージにプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が追加された。上質なレザー巻きのステアリングホイールを握れば、キアに初めて触れる人でも自然に好感を抱くだろう。

黎明期だった頃のキアのステアリングホイールは、革へ似せたシボが付いたプラスティック製だった。しかし、かつてマツダのシャシーを流用していた背の高いSUVは、5代目へと進化を遂げた。モダンなクロスオーバーで、野暮ったさはない。

キア・スポーテージ 1.6T-GDi ISG PHEV(英国仕様)
キア・スポーテージ 1.6T-GDi ISG PHEV(英国仕様)

新しいスポーテージには、ガソリンターボにディーゼルターボ、マイルドハイブリッドなど複数のパワートレインが用意されている。多くの嗜好へ合致するように。そして、それらの9番目となるのが、このPHEVとなる。

180psを発揮する1.6Lガソリンターボ・エンジンをベースに、91psを発揮する駆動用モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は264ps、最大トルクは35.4kg-mを得ている。

ちなみにこの最大トルクは、フェラーリF355より1.5kg-mほど細いに過ぎない。他方、ライバルモデルに当たるプジョー3008 ハイブリッド225は、36.7kg-mとほぼ並ぶ。PHEVは、軒並みトルクが太いのだ。

広く質感の高いインテリア

駆動用バッテリーの容量は13.8kWhあり、比較的大型。ホイールベース間に搭載され、スポーテージを最長で79km、電気の力だけで走らせることができる。カタログ値のCO2排出量は25g/kmで、英国では税制的にも有利となる。

3008と比べると容量は0.6kWh大きいだけだが、効率に優れるのか6kmも遠くまで目指せるらしい。試乗した日は比較的温かく、満充電で約56kmという距離がメーターに表示されていた。

キア・スポーテージ 1.6T-GDi ISG PHEV(英国仕様)
キア・スポーテージ 1.6T-GDi ISG PHEV(英国仕様)

試乗車は上級トリムグレードで、12.3インチの大きなモニターが2面、ダッシュボード上部に並んでいる。薄型のモニターにピアノブラックのプラスティック・パネルが組み合わされ、インテリアは質感が高く、現代的な雰囲気で溢れている。

実際に回せるノブがセンターコンソールに残されているが、エアコンの温度とオーディオのボリュームとの共用。ラジオではなくクーラーの温度を変えたい場合は、タッチセンサー部分をスワイプして、モードを切り替える必要がある。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応する。USB-Cポートも付いている。

リアシートは、足元の空間に余裕が持たせてある。フロアはバッテリーが敷かれた都合で若干高めに感じるものの、180cmの身長の大人が2名、快適に過ごせる広さはある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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