フェラーリ296 詳細データテスト 魅力的なサウンド 比類なきハンドリング 驚異のパフォーマンス

公開 : 2022.12.31 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

英国の路上において296GTBが、V12スーパーGTモデルの812スーパーファストより優れた追従性を発揮するケースがある。もちろんそれは、A級道路ではるかになめらかな走りを見せるということでもある。それは、お好みのしなやかさが選べる標準装備の磁性流体ダンパーを、よりソフトなモードにした場合だ。

そうでなくても、このクルマは総じて無駄な神経質さがなく、路面をなぞりながらも不整の為すがままになることは決してない。走行中の静粛性はアルトゥーラに一歩譲るが、長距離を走る際には興奮や動揺を感じさせず、並外れて速いスーパーカーに乗っていることを忘れてしまいそうになるくらいだ。マクラーレンでは、そうはいかない。

標準仕様のダンパーとシートなら、快適に普段使いできる。しかし、オプションのカーボンバケットやスポーツダンパーは、乗り心地に我慢を強いられる場合がままある。
標準仕様のダンパーとシートなら、快適に普段使いできる。しかし、オプションのカーボンバケットやスポーツダンパーは、乗り心地に我慢を強いられる場合がままある。    LUC LACEY

日常的に乗りたいのなら、シート選びは念入りに行ったほうがいい。カーボンのバケットは見た目こそファビュラスだが、硬いうえにランバーサポートがないので、長く座っていると身体にこたえる。標準仕様のシートならばすっぽり包み込んでくれて、街乗りなら十分以上のサポート性があり、しかも長時間乗っていても快適だ。

また、アセット・フィオラノパッケージの固定式マルチマティックダンパーについても、よくよく必要か考えたほうがいい。たいていの場合には、驚くほど楽に乗りこなせるのだが、路面が荒れた場所では乗り心地がキツく、盛大にノイズや振動を伝えてくる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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