フェラーリ296 詳細データテスト 魅力的なサウンド 比類なきハンドリング 驚異のパフォーマンス

公開 : 2022.12.31 20:25  更新 : 2023.01.05 01:51

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

296GTBの価格は、アルトゥーラウラカン・テクニカを優に超えるが、それを正当化できる要素は見出せる。パフォーマンスのレベルはライバルたちより上だし、距離無制限の7年保証も標準で付く。

また、最近のフェラーリは残価がかなり高い傾向にある。マクラーレンでは、必ずしもそういうわけにはいかないところだ。296GTBを手に入れることができさえすれば、3〜5年間所有しても、通算してみたコストは悪くない。

大ぶりなシフトパドルは、このクルマにふさわしくドラマティックなアイテムだ。ただし、このカーボンパドルより、重みのあるアルミパドルのほうが手応えに満足感がある。
大ぶりなシフトパドルは、このクルマにふさわしくドラマティックなアイテムだ。ただし、このカーボンパドルより、重みのあるアルミパドルのほうが手応えに満足感がある。    LUC LACEY

さらに、F8トリブート中古車を購入する場合と比較してみても、さほど高い買い物ではないと言える。最後のV8ミドシップは、1万km近く走った個体でも、22万ポンド(約3542万円)くらいするのだから。

使い勝手に関しては、スーパーカーとしては日常使いに不満のないクルマだと言える。もちろん、アセット・フィオラノパッケージではない仕様の場合だが。電動走行は走りはじめと目的地周辺くらいでしか使えないが、そんな使い方を歴代ピッコロ・フェラーリでは夢にも望めなかった。

テスト時のツーリング燃費は13.4km/Lと、新型V6はなかなかの経済性を発揮してくれる。911ターボや、フロントエンジンのローマほどではないが、視認性に優れ運転しやすいクルマだ。新車で今買える本格スーパーカーとしては、おそらくもっとも扱いやすいものだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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