ベントレー・コンチネンタルGTC 詳細データテスト 洗練とスポーティの好バランス サウンドも魅力

公開 : 2023.04.29 20:25

結論

高級車マーケットにおいて、ベントレー・コンチネンタルGTC V8 Sのようなクルマを徐々に忘れつつあるメーカーも見受けられる。電動車ではなく、SUVでもなく、特別な個性や強烈さにも欠けているからだ。

じつにもったいない話だ。このコンバーティブルは、宝くじが当たったら買いたいようなクルマの長所と言える要素を数多く残している。そして、ひたすら気分よくしてくれるという以上に重要視しているものはない。

結論:スポーティなV8のおかげで、このクルマが得たのは元気な走り。きっと乗るものを楽しませてくれる。
結論:スポーティなV8のおかげで、このクルマが得たのは元気な走り。きっと乗るものを楽しませてくれる。    MAX EDLESTON

もし、コンバーティブルでのドライブが普通の道のりを鮮やかで楽しくしてくれるものだとすれば、このラグジュアリーなコンバーティブルは、その点でほかの量産ベントレーより上を行っている。

ほかのコンバーティブルと同様、気持ちを開放し、外の世界を車内へと導いてくれる。しかも、身を置いているのは魅惑の空間で、そこから目にする外の眺めは、ときとして信じられないほどスペシャル。これを知ったら、違うタイプのラグジュアリーGTには目が向かなくなるかもしれない。

ベントレーのスポーティなシャシーチューニングと、惜しみないほどのV8サウンドは、ドライバーを惹きつけるこのクルマならではの魅力のすべてを生む源泉だ。重さや大きさ、高級感第一なクルマづくりが度を越しているように思えたとしても、むしろ真のラグジュアリーというのはそういうものだということを思いだしたほうがいい。

過剰さにもいろいろあり、好みもわかれるところだ。もし、ベントレーのようなやり方が好みでも、まったく悪いことはない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

よく、偶然で金持ちにはなれない、などという。少なくとも金持ちは、相対的な価値というものをよくわかっている。GTC V8は、ほかの車より高い金額を払う価値があるか、そこを考えさせてくれるベントレーだ。そこに魅力を感じる。

リチャード・レーン

3面回転式ディスプレイはその性格上、ダッシュボードの木目がきっちり揃わない面ができてしまう。そこが気になって、夜も眠れなかったひとびとが、ベントレー本社にはきっといるに違いない。

オプション追加のアドバイス

ベントレーがコンフィギュレーターで提案している、オレンジフレーム塗装とニューマーケットタンレザーは、おすすめの組み合わせ。これに2トーンの21インチホイール、ツーリングとフロントシートコンフォートの各スペシフィケーション、ネイムのオーディオを追加したい。

改善してほしいポイント

・フロントシートがもう少し低ければ、前髪が風を浴びなくて済むだろう。
・取り回し時にためらいを見せるDCTは、あとちょっと磨きをかける必要がある。
・GTスピードの電子制御LSDを装備すれば、スポーツモードでの走りを魅力的にする最後の一手になるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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