メルセデス・ベンツAクラス 詳細データテスト 電動化の恩恵は大 速さも燃費も向上 静粛性は要改善

公開 : 2023.06.03 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

メルセデスの、Aクラスの値付けはこれまでどおりのやり方だ。中間グレードでも、A200はアウディBMWフォルクスワーゲンの競合モデルより数千ポンド高い。

もし、最高レベルの運転支援技術やフルアダプティブLEDヘッドライト、ヘッドアップディスプレイやブルメスターのオーディオがほしいなら、さらに高額な仕様を選ばなければならない。それでも、メルセデスの最上位のACCや半自動運転機能は、Aクラスには用意されていない。

3年後で50%以上の残価率が予想されるというのは、なかなか悪くない話だ。しかし、競合するアウディはそれ以上にいい。
3年後で50%以上の残価率が予想されるというのは、なかなか悪くない話だ。しかし、競合するアウディはそれ以上にいい。

この手のクルマで、大きな出費をしてまで自動運転的なシステムを追加したいというユーザーは多くないだろう。しかしそれ抜きでも、プレミアムなポジションであることに変わりはない。それでいて、高価格を正当化できるほど残価率が高いというわけではないのが残念だ。

燃費については、今回の改良で向上が見られる。マイナーチェンジ前のA200シュポルトで計測した数値は平均13.7km/L、ツーリングでは20.1km/Lだったが、今回は平均15.9km/L、ツーリングが21.0km/L。マイルドハイブリッドは、WLTPテスト以上に、リアルな環境での燃費に効くと言えそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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