メルセデス・ベンツAクラス 詳細データテスト 電動化の恩恵は大 速さも燃費も向上 静粛性は要改善

公開 : 2023.06.03 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

エンジンの整理とMTの廃止に伴い、SE仕様もラインナップから落ちた。キャビンのルックスとフィールには一貫性があり、質感の高さやマテリアルのリッチさ、技術的な上質さを備えていたのだが。

全車とも、10.3インチのディスプレイを2面備えるMBUXインフォテインメントシステムを装備した。センタートンネル上には、MT廃止に伴いレバーがなくなり、実体入力コントローラーも姿を消した。センターコンソールはスッキリした新形状となり、浅いトレーが加わった。その前後には蓋付きの小物入れが備わり、ポケットの中身やホットなドリンクを置いておくことができる。

MTが廃止され、センターコンソールはレバーのないスッキリしたデザインに。新型ステアリングホイールは、上位モデルと同じデザインとなった。
MTが廃止され、センターコンソールはレバーのないスッキリしたデザインに。新型ステアリングホイールは、上位モデルと同じデザインとなった。    MAX EDLESTON

シートのコンフォートパッケージは標準装備化された。前席は座面の高さと角度が調整可能で、運転席は長さも調整できる。幅広いアジャスト範囲と座面の有効なサポートは、脚の長いドライバーの快適性を高め、すでに良好だったドライビングポジションはさらに改善された。

後席の快適性は、前席ほどではない。スペースはこのクラスのハッチバックの標準的なレベルで、ヘッドルームはフォルクスワーゲン・ゴルフ、レッグルームはトヨタカローラのほうが上だ。とはいえ、外観のコンパクトさとデザイン的な魅力、室内の実用性のバランスを考えると、Aクラスがオファーするものはたしかに称賛に値する。

問題は、おかしなほどかさばった室内のドアハンドルだ。後席ニールームを侵食するそれは相変わらずで、改良型においても不満の種となっている。

ステアリングホイールは、インテリアのリフレッシュにおけるもうひとつのトピックだ。そのデザインは、ここ5年ほどのより大型なメルセデスに見られたもので、小型化されたハブと、スイッチを満載したスリムな水平方向のスポークを備えている。

もっとも、われわれとしては、もっとずんぐりした実体ボタンが据え付けられた旧デザインのステアリングホイールのほうが好ましい。新型のタッチ式スイッチは、操舵中に触れて誤操作してしまいやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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