メルセデスAMG SL 詳細データテスト 高めた走行性能 失われた洗練性 今後の改善と熟成に期待

公開 : 2023.08.05 20:25  更新 : 2023.08.22 22:56

使い勝手

インフォテインメント

インフォテインメント関連で先代より大きく進化したのは、縦型11.9インチのディスプレイだ。角度は直角から、12〜32°の調整式となり、光の反射による見にくさが軽減された。また、その大きさと形状により、上端が手の届きやすい位置に来ている。

とはいえ、そのメリットはもっと一般的なメルセデスのほうが感じられるだろう。SLのドライビングポジションなら、もう少し近いほうがタップやスワイプなどの操作をしやすいはずだ。もっとも、ステアリングホイールの操作デバイスを使えば、画面にタッチせずに用を済ますこともできるのだが。

縦型の大画面は角度調整も可能で、先代を上回る視認性を実現。ナビは使いやすく、ミラーリングも確実に作動する。ただし、操作にはやや慣れが必要だ。
縦型の大画面は角度調整も可能で、先代を上回る視認性を実現。ナビは使いやすく、ミラーリングも確実に作動する。ただし、操作にはやや慣れが必要だ。    JOHN BRADSHAW

テスト車は使い勝手のいいヘッドアップディスプレイも備えていて、ほかのメルセデス同様の表示モードが選べる。ちなみに、これはエントリーモデルのSL43には標準装備されないアイテムだ。多くのクルマより情報の並びは複雑で、インフォテインメントシステムそのものも多少の慣れが求められる。

そうはいっても、なじんでしまいさえすればおおむね操作には困らない。ナビゲーションシステムは見やすい地図表示と有効なルート設定を提供してくれる。もしスマートフォンのミラーリングのほうがお好みだとしても、ソフトウェアが確実に機能してくれるので安心だ。

燈火類

アダプティブヘッドライトのデジタルライトが標準装備で、自動減光や超ロングレンジのハイビームを備える。テスト中にその実力を試す機会はなかったが、別の機会にはみごとな性能を見せてくれた。

ステアリングとペダル

ペダルは、ゆったりしたフットウェルにうまく配置されている。電動ステアリングコラムの調整幅も文句なしだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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