電動化技術とデザインの方向性を示す 日産ハイパーアーバン・コンセプト モビリティショーへ出展

公開 : 2023.10.04 08:35

10月28日に開幕する東京モーターショー「ジャパン・モビリティショー」 ひと足先に電動クロスオーバーのコンセプトカーを日産が発表

電動化技術とデザインの方向性を示す

日産は、斬新なボディをまとったバッテリーEVのコンセプトカー、ハイパーアーバンを発表した。今後の同社の電動化技術とデザインの方向性を示した、都市部での移動手段という設定だ。

10月28日から東京モーターショー「ジャパン・モビリティショー2023」が開催される。この中で、日産は4台のコンセプトカーを出展するという。

日産ハイパーアーバン・コンセプト
日産ハイパーアーバン・コンセプト    日産

ハイパーアーバンは、持続可能なモビリティへ焦点が向けられており、「移動と社会の可能性を広げることに貢献」する同社の姿勢を表現した、「ハイパー」EVコンセプトカー・シリーズの1つ。それぞれに、象徴的な個性が与えられるとのこと。

このハイパーアーバンは、環境課題などへの意識が高く、持続可能なライフスタイルを嗜好し、場所を問わずアクティブに活動するユーザーへ向けられた、電動クロスオーバーだという。

シャープなラインが目を引くボディは、光の当たる角度に応じて色味が変化する、特別なイエローで塗装されている。開口部は巨大で、斜め上方向に開くシザーズドアが採用されている。

フォルムは空気抵抗を意識し低く滑らかで、タイヤはワイド。スポーティなルックスに仕上げたと、同社は主張する。

インテリアは、万華鏡を覗いた時の図像からインスピレーションを受けたという。三角形を基調とし、メーター用とインフォテインメント用のモニターは、表示内容をカスタマイズ可能。フロントシートを折りたたみ、ラウンジのようなレイアウトも作れる。

今後7年間に19台の新型バッテリーEVを発表

ソフトウエアとハードウエアは定期的なアップデートへ対応し、最新の状態へ保つことができるよう想定されている。インテリアの雰囲気を一新したい場合は、ユーザー・インターフェースのグラフィックを更新する以外に、モニター自体の交換も可能だとか。

電動パワートレインは、自宅やオフィスなどへの給電に対応。周辺地域の電気需要が高まった場合には、日産独自のシステムにより自律的に制御され、送電ネットワークへの負担を減らすことも可能だという。必要に応じて、売電にも対応するようだ。

日産ハイパーアーバン・コンセプト
日産ハイパーアーバン・コンセプト    日産

ハイパーアーバンへ盛り込まれたどの分野が量産者へ落とし込まれていくのか、日産は明言していない。それでも、先日ロンドンで発表された電動ホットハッチ、20-23コンセプトより、概念的な要素は強いと考えられる。

同社の内田誠CEOは、欧州市場では今後、バッテリーEVのみを提供する方針を発表している。早ければ2030年までに、内燃エンジンモデルの販売は段階的に終了していく。

これと並行して、今後7年間に19台の新型バッテリーEVを提供する計画が立てられている。次期マイクラ(マーチ)やリーフのほか、クロスオーバーのジュークやキャシュカイ(デュアリス)、エクストレイルも、モデルチェンジで電動化される見込み。

日産は、ジャパン・モビリティショー2023へ出展されるコンセプトカーを通じて、今後の19車種のバッテリーEVへ期待されるヒントを提供するという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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