ロードテスト ヴォグゾール・コルサ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.02.01 20:50

PSA傘下に入り、開発を白紙からやり直した新型コルサを徹底テスト。フランス生まれのプラットフォームを得たとはいえ、その走りはむしろドイツ車的な硬質さ。しかし残念ながら、乗り味は熟成不足を否めないものでした。

はじめに

骨折り損といえるような目に遭ったことがあれば、ヴォグゾールオペルが2017年11月にどんな苦汁を舐めたか理解できるはずだ。

それまで、コルサは3年毎に大幅改良を受けてきた。先代モデルでも、2017年には技術な開発が発売できる段階に達していたのである。販売台数の減少は予想されたが、デビューすれば十分な人気を得られたはずだ。

ところがこの年、PSAグループが、ヴォグゾールとオペルをGMから買収。プジョーシトロエン、DSを擁するフランスの巨大企業は、ほぼ承認段階にあったアストラ系モデルを廃止した。

そして、プジョー208DS 3クロスバックと共通のCMPプラットフォームでコルサの開発を白紙からやり直すことを決定する。このプロジェクトのチーフエンジニアであるトーマス・ワンケに言わせれば、それを決断するのは簡単だった、とのことだ。

そうして、このフランスの血と肉を持つはじめてのコルサが生まれた。それも、開発の立ち上げから2年とかからずに完成したのである。

これほどタイトなスケジュールで発売に漕ぎつけたというのは、それだけでもなかなかの仕事だといえる。しかし、それだけの労力を費やした甲斐はあったはずだ。

なにしろ、プラットフォームはヴォグゾール/オペル自前のものより軽量かつ高剛性で、パワートレインも多彩に用意される。それらの、手強いライバルが割拠するこのセグメントを戦い抜くのに不可欠な要素を手に入れられたのだから。

敵は、完成度を高めたルノー・クリオや、シャープなハンドリングが売りのフォードフィエスタセアト・イビザをはじめ強豪ぞろい。それらと覇を競えるものになっているのか、見極めていくとしよう。

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