ロードテスト メルセデスAMG A 45 S ★★★★★★★★★☆

公開 : 2020.03.14 11:50  更新 : 2020.03.23 18:09

リッター200psを超える史上最強のホットハッチ、その走りはこのジャンルで他の追随を許さず、それでいて実用性が損なわれていません。しかし価格を考えると、もっと走りのいいスポーツカーにも目移りするのは事実です。

はじめに

メルセデスAMGの新型A 45 S 4マチック+は、ホットハッチの進化の歴史において、重要なランドマークになりそうだ。このように特殊で過剰なパフォーマンスモデルを取り巻く市場環境が今後10年でどう変わるかにもよるが、この手のクルマとしては高い水準にあると評価されることにはなるだろう。

422psの4気筒ターボというのは、量産ユニットとしては前例のないレベル。つまり、世界中を見回してもこれよりホットなホットハッチは見つからないということだ。

この20年ほどでもっともカルト的な人気を誇る、ホットで高価な四駆ターボといえば、スバルインプレッサSTIと、三菱ランサーエボリューションだろう。新型 A 45 Sは、それよりもパワフルで高価だ。

これと同時に、メルセデスAMGのラインナップにはCLA 45 Sが加わった。メカニズムはA 45 Sとほぼ同じ。4ドアクーペとシューティングブレークを揃えるが、どちらも走りはやはり同様だ。

価格についてもまた、どのボディタイプでも近い設定だ。英国でのA 45 Sは5万570ポンド(約708万円)から。ホットハッチとはいえ、アルピーヌA110ポルシェ718ケイマン、BMW M2コンペティションといったスポーツカーと競合することになる。

もっとも、パフォーマンスについても、そうした競合モデルを脅かすものだといえる。0-97km/h加速は4秒以下、最高速度は270km/hを超えるのだ。

そのスペックが本物か、これから路上で試すことになる。だが、それより大事なのは、これがホットハッチの既存の枠を飛び越えて、ミドシップのスポーツカーやFRのマッチョなクーペ以上に、5万ポンド(約700万円)を上回る出費に見合ったクルマなのかを確かめることだ。

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