ポルシェ911 詳細データテスト 良好な乗り心地 使い切れる適度なパフォーマンス 絶望的な遮音性

公開 : 2024.02.10 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

このダカールで、ポルシェがもっと大胆になってもよかったのではないか、と多くのテスターが思ったのがインテリアだ。結局はオプション込みでも20万ポンド(約3720万円)の限定車なのだ。アルカンターラ的なポルシェが好むテクスチャーのレーステックスを多用して特別さを演出し、カーボンシェルのバケットシートや、オプションのガッシリしたハーフケージで本気ぶりを示してはいるが、しょせんは正真正銘のラリーレイドスペシャルだと思わせてくれる部分がほとんどないのだ。

とはいえ、992世代の911らしく、基礎はしっかりしている。エクステリアはゴツい見た目だが。アスレティックなドライビングポジションはGT3のそれと大きくは変わらない。スイッチ類の動きは総じて歯切れ良く、プラスティック類は高価そうで、スムースレザーやレーステックスとのコンビネーションで高級感も十分。外観がダサく思えても、室内は贅沢な感じがする。小物類の収納スペースは多く、視認性はすばらしい。

992世代の美点と、スウェード調素材やスムースレザーによる高級感はあるが、それは同時に、造形や使い勝手からは、これが特別仕立ての911に過ぎないこともよくわかる。
992世代の美点と、スウェード調素材やスムースレザーによる高級感はあるが、それは同時に、造形や使い勝手からは、これが特別仕立ての911に過ぎないこともよくわかる。    JACK HARRISON

ラリースポーツパッケージをオーダーしようというなら、注意点がある。ダカールは現行911の中でもとりわけ多用途性や使い勝手に優れたモデルだが、ロールケージが実用性を損ねるのだ。たとえリアシートレスオプションを選んでも、キャビン後方のラゲッジスペースとして使えるのに、それが犠牲になってしまう。132Lのフロントトランクがあっても、荷物は積めるだけ積めるほうが便利だ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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