【どうなる日本の自動車業界】 日産とホンダ今後は二人三脚? 覚書締結並びに協業体制模索へ

公開 : 2024.03.16 07:05

3月15日に日産とホンダは都内で共同会見を開き、今後両社の「自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始」すると発表。覚書を交わし協業を模索していくと述べました。早速考察します。

まさか、日産ホンダが連携するとは!?

自動車産業界のみならず、ユーザーにとっても驚きのニュースである。日産とホンダは3月15日、都内で共同会見を開いた。

命題は「自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始」だ。

日産とホンダの連携協議へ
日産とホンダの連携協議へ    ホンダ

日常生活の中で見れば、なんだか意味が掴みにくい表現かもしれないが、近年の自動車産業界ではよく使われる言い回しだ。例えば、トヨタスズキ、トヨタとマツダ、また海外では最終的にはステランティスの誕生に至ったFCA(フィアット/クライスラー)とPSA(プジョー/シトロエン)の事例などがある。

ようするに、日産とホンダはどのような連携の形が両社にとってベターかを、両社が合意した上で深堀りするということだ。そのために、MOU(メモリー・オブ・アンダーステンディング:覚書)を交わす。

会見には、日産の内田誠社長とホンダの三部敏宏社長が登壇して、会見場内とオンラインで記者との質疑応答に対応した。会見の冒頭、両社長が協業を検討する意義や市場の背景を説明。ただし、会場内で図表などを投影することはなく、あくまでもこの会見が両社の協議の正式なスタート地点であることを強調し、具体的な内容については触れなかった。

「CASE」を超えて

唯一、協業に向けた議論として「具体的には…」としたのは「自動車車載ソフトウェアプラットフォーム、パッテリーEVに関するコアコンポーネント、商品の相互補完など」という部分だ。

これに伴い、自動車産業界では近年、自動車メーカーの常套句となった「100年に一度と言われる自動車業界の変革期」という表現が、会見の中で何度か出てきた。

日産とホンダの連携協議へ
日産とホンダの連携協議へ    ホンダ

さらに「スピード感」という表現も目立った。

周知のことだが、ここで改めて説明すると「100年に一度…」というのは、ドイツのメルセデス・ベンツ(当時のダイムラー)が2010年代半ばに次世代事業に対して「CASE」というマーケティング用語を使うようになり、それが日本を含めてグローバルに広がった。

通信によるコネクテッド/自動運転/シェアリングなどの新しいサービス、そして電動化の大きく4つの領域が絡み合って進化していく、というイメージだ。

日産とホンダはこれまで、それぞれが「CASE」への対応を実行してきたことは、多くのユーザーが知るところだ。その上で、重要度が高いのが「自動車車載ソフトウェアプラットフォームとバッテリーEVのコアコンポーネント」と指摘した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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