ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス

公開 : 2024.11.09 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

ベースとなるアーキテクチャーには手をつけていないので、キャビンにほとんど変化はない。そのため、高級GTのわりにはアクセスがややタイトなのは改善されていない。後席スペースが、巨体に見合うほど広くはないのもご同様だ。

そうはいっても、運転環境のエルゴノミクスは相変わらずみごとだし、EVとしては異例に低い着座位置と、ステアリングコラムの豊富な前後調整量を備えている。後席は居心地がよく、なかなか快適。ヘッドルームも妥当な広さだ。

911的なポジションとフロントビューで、包まれ感のあるキャビンだが、2ドアクーペよりは広く快適。ただし、4ドアGTとしては乗降性のタイトさが気になる。
911的なポジションとフロントビューで、包まれ感のあるキャビンだが、2ドアクーペよりは広く快適。ただし、4ドアGTとしては乗降性のタイトさが気になる。

また、タッチ式より実体スイッチを好むなら、この車内になじむには時間が必要だろう。ダッシュボード上のドライブセレクターは実体トグルだが、二次的コントロール系はほとんどがタッチ画面へ統合され、ダンパーやスタビリティコントロールの調整は、メーターパネル周辺の静電容量式ボタンで行う。制限速度アラートのキャンセルスイッチもここにある。

空調は、下段タッチディスプレイで操作。ハプティックフィードバック式なので、入力を読み込ませるには強めに押すことが求められる。

4ドアモデルの積載スペースは、中型スーツケースをいくつか積めるくらいはあるが、ワゴン的ボディのスポーツツーリズモやクロスツーリズモはさらに広くて融通が効く。充電ケーブルの収納バッグはかさばるが、どのモデルでも共通だ。

前後ラゲッジルームの容量を合計しても、まだパナメーラには及ばない。もっとも、購入時の動機として、そこはそれほど重視されるクルマではないだろうが。

タイカン最大の利点は、シートに身体を収めたときのスペシャル感だろう。ヒーター付きシートに座れば、Android AutoやApple CarPlayとのスムースな統合を利用でき、標準装備のボーズ製サウンドシステムがすばらしいサウンドを聞かせてくれる。包まれ感のあるキャビンは、長距離運転を楽にしてくれて、それでいて由緒正しいスポーツカーのような雰囲気も味わえる。

低いスカットルは、クラシックなポルシェのようなフロントフェンダー越しの眺めをもたらし、ドライビングポジションは911のよう。高級EV多しとはいえ、こんなクルマはほかにない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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