ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス

公開 : 2024.11.09 20:25

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

2019年にタイカンが登場したとき、驚かされたのはポルシェらしさだ。コーナリングフォースの上下を整った調子でリニアに伝えてくれる、巧みで引き締まったボディコントロールは、パナメーラだけでなく911も思わせる。タイカンの低い重心と相まって、EVのハンドリングへの懐疑心を払拭してくれたのはうれしいサプライズだった。

それは、改良型でも変わらない。タイカンのサイズとウェイトを考えると、なおさらとんでもなく思える精密さや操縦性を感じられる。複雑なリアステアリングが加わっても、ズレなく、強力にグリップし、ブレることなくコーナリングする。まるで、前後が4Dシャシーコントロールでテレパシーのようにつながっているかのようだ。

フロントシートは快適性とサポート性のバランスが上々。ヒーターとベンチレーションも備わる。
フロントシートは快適性とサポート性のバランスが上々。ヒーターとベンチレーションも備わる。

先に述べたシームレスなスロットルチューンもあって、B級道路を呼吸をするかのようにやすやすと走らせる。ただし、スピードが上がるにつれ、間違いなく重さを感じる。それには、まったく無頓着ではいられない。

タイカンは後輪駆動仕様であっても、ヒョンデアイオニック5Nのように楽々とアジャストできるわけではない。とはいえ、コーナリングに勢いが欠けているわけではない。すべきことは早めのモーションと多少の荷重移動で、するとこの大柄なポルシェは、わずかなヨーを楽に、驚くほど安定して引き起こす。

テストコースで、その挙動をもっと大がかりにすることができた場合、ターボSはケイマンGT4のように、グリップからスリップへイージーに移行できる。ボンネット内側の一点を中心に回るかのようだ。すばらしくコントロールしやすい。

興味深い追加要素が、ポル氏ェ・アクティブライドシステムだ。30kg重くなるが、シャシーからその10倍を削ったように感じられることもある。ハンドリングに関しては、その効果は些少で、ポルシェもこのシステムは乗り心地改善が目的だとしている。

しかし、平坦でない道でボディに上乗せされるフラット感は感じられ、タイカンがもともと備えているバランスや精密さをひときわ輝かせる。このシステムはまた、反応が早い。高いスピードで路面の溝に当たると、即座にクッションを効かせる。

このシステムの効果は、ノーマルモードで最大化し、逆にスポーツでは弱まる。スポーツプラスでは完全にオフになり、アクティブデバイスを備えないクルマと同じ挙動を見せる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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