アルピーヌ新型4人乗りスポーツカー『A310』 テスト走行中の試作車を発見 2028年発売予定

公開 : 2025.03.19 07:45

アルピーヌの新型EV『A310』のプロトタイプが初めて目撃されました。2+2のスポーツクーペで、高い動力性能と実用性を兼ね備えた次世代のフラッグシップです。

動力性能と実用性を両立した2+2クーペ

アルピーヌは、EVの新型スポーツカー『A310』を開発中だ。今回、そのプロトタイプが初めてテスト走行しているのが目撃された。

新型A310は2028年に登場する予定の2+2クーペで、アルピーヌの完全EVラインナップのフラッグシップとなる。

次期『A310』は2028年に登場する予定だ。(画像はA390の試作車)
次期『A310』は2028年に登場する予定だ。(画像はA390の試作車)    アルピーヌ

同ブランドのラインナップには、最近発表されたホットハッチA290、今後登場予定のクロスオーバーのA390、そして次世代A110のクーペおよびコンバーチブルが並ぶ。いずれもEVだ。

2030年までに、さらに3車種のEVが加わる予定である。これらは、米国市場参入への足がかりとする大型のEセグメント車になると考えられている。

今回、AUTOCAR英国編集部のカメラマンが、北極圏付近で寒冷地テストを行っているA310のプロトタイプを目撃した。車高の低い2ドア車だが、A110よりも大型だった。LEDのスポットライトや大型リアスポイラーを装着し、雪の中でテスト走行に勤しんでいた。

外観はレーシングカーのリジェJS2 Rに酷似していたが、このボディはテスト用のシェルであると考えられる。おそらくシャシー関連のプロトタイプだろう。この車両について、アルピーヌからのコメントは得られていない。

量産車では、クロスオーバーの『A390 β(ベータ)』コンセプトで見られるような、アルピーヌの新デザインを採用する見込みだ。A390は、フルワイドのライトバー、鋭く尖ったノーズ、ル・マンを彷彿とさせるボディ中央のフィンを備えている。

A310という名称は、1970年代に登場した4シーター・クーペから受け継いだものだ。アルピーヌはこのモデルを、間もなく登場するA110 EVよりも実用性重視のスポーツモデルとして位置づける。これは、ポルシェにおける718ケイマンと911の関係を反映したものである。

アルピーヌのマーケティング責任者であるブルース・ピラード氏は以前、AUTOCARの取材に対し、「A110は2シーターであるため販売台数が限られますが、シートを2つ追加することで大きな違いが生まれると考えています」と語っていた。

A310でセールスポイントとなるのは、新しいアルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)によって実現する軽量設計である。このAPPはEVスポーツモデル専用に開発されたもので、A110 EVにも採用される予定だ。

バッテリーによる重量ペナルティがあるにもかかわらず、A110 EVは「同等のエンジン車よりも軽量になる」とされている。

アルピーヌのブランドCEOであるフィリップ・クリーフ氏は、アクティブ・トルク・ベクタリングなどの制御ソフトウェアを使用して「軽量車のドライビング・ダイナミクス」を実現し、数百kgの重量増加による動力性能の低下を打ち消す、と述べた。

フェラーリ458やアルファ・ロメオジュリア・クアドリフォリオといったスポーツカーの開発に携わった経験を持つクリーフ氏は、アルピーヌブランドを特徴づける軽快なダイナミクスを守り続けると宣言している。

マーケティング責任者のピラード氏は、A310を「未来のスポーツカーの象徴」かつ「真のアルピーヌ」にするためには、こうした措置が必要だと述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×