【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#18 宇宙旅行並みのロマン!

公開 : 2025.09.12 12:05

事故渋滞にハマるなんて、地獄ロマンだ!

7月下旬のとある猛暑日。我々は男鹿半島に向けて出発した。

往路はまず新潟に出て、日本海沿岸をひたすら北上する。途中はロマン溢れる絶景ポイントだらけである。

7月下旬のとある猛暑日。男鹿半島に向けて出発!
7月下旬のとある猛暑日。男鹿半島に向けて出発!    清水草一

安ド二等兵に運転を託し、関越道を北上していると、月夜野ICを過ぎたところで、『関越トンネル 事故通行止め』という表示が出た。

オレ「あれ? いま事故通行止めって出てたよね?」
安ド「出てましたね」
オレ「ホントに?」
安ド「ホントですかね」

スマホで交通情報を確認すると、本当に通行止めになっている。ヤバイ! このまま行くと、確実に通行止め渋滞にハマる!

関越トンネルが事故で通行止めになったら、いつ解除されるかわからない。日本坂トンネルや笹子トンネルの事故みたいに、長期通行止めになる可能性だってある。もしそうなったら、大貴族号はウルトラピンチ! 世界で一番信頼性のないクルマで、猛暑の中、いつ動くとも知れない事故渋滞にハマるなんて、地獄ロマンだ!

オレ「安ド、次の水上で降りろ。んで1区間戻って、月夜野から国道17号で三国峠を越えよう」
安ド「わかりました」

水上で降りたのは我々だけ。周囲のクルマは皆、通行止めの関越トンネルに突進していく。なんという冒険野郎たちだ……。

国産車ならそれもよかろう。しかし大貴族号に、そんなイチかバチかの勝負はさせられない。安全策もまたロマンなのである。

編集部よりお知らせ:大貴族号を展示いたします!

9月28日(日)に山梨県甲府市で開催する『スーパーカー・コレクション2025』にて、『大貴族号』こと清水草一センセイのマセラティクアトロポルテ・スポーツGTを展示します! 当日は清水さんが参加されるトークショーなど、盛りだくさんです。

見学は自由(無料)となります。詳しくはトップページからリンクしている告知ページをご覧ください!

大貴族号ことマセラティ・クアトロポルテ・スポーツGTと清水草一センセイ。
大貴族号ことマセラティ・クアトロポルテ・スポーツGTと清水草一センセイ。    神村聖

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は9月26日金曜日公開予定)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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