歴史に埋もれた米国車 40選(後編) 地味だけど大きな魅力を秘めたクルマ
公開 : 2025.10.18 11:45
イーグル・ビジョン
クライスラーがランボルギーニを買収した後、同社はランボルギーニ・ポルトフィーノ・コンセプトの革新的な「キャブフォワード」デザインに着想を得て、先進的な高級セダンの開発を決めた。こうして誕生したのが、1992年から1997年まで販売されたフルサイズラグジュアリーカー、イーグル・ビジョンである。
イーグル・ビジョンは、そのデザインを活かして広い車内空間を確保しつつ、欧州車風のサスペンションと強力な3.5L V6エンジンを搭載している。イーグルブランドは短命に終わり、ビジョンのことを覚えている人はもうほとんどない。

オールズモビル・アチーバSCX
オールズモビルは常に、実用的なファミリーカーとハイオクタンの高性能車というイメージバランスを取ることに苦心していた。アチーバSCXは、そのバランスをうまく実現した数少ない例だ。1992年から1998年までの生産期間中、アチーバSCXはオールズモビルのラインナップにおいて最もパワフルでハンドリングに優れたコンパクトカーであった。ワイドタイヤ、アルミホイール、強化サスペンション、そして190psを発揮する自然吸気直列4気筒エンジンといったさまざまな性能向上措置が施されていた。
そのため、SCCAグランダム・ワールドチャレンジやIMSAファイヤーホークでも高い競争力を発揮した。しかし現在では、他の90年代のオールズモビル車と同様、アチーバは多くの人の記憶の中で「おばあちゃんの車」として扱われている。

フォード・コントゥアSVT
1998年から2000年にかけて生産されたこの高性能セダンは、フォードのスペシャル・ビークル・チーム(SVT)が開発したコントゥアの派生モデルだ。特別仕様の2.5L V6エンジンとスポーツサスペンションを搭載し、195psを発生。0-97km/h加速は7.5秒を記録した。さらに特筆すべきは、5速マニュアル・トランスミッションのみの設定だった点だ。
コントゥアは決して大ヒットしたモデルではない。結果として、コントゥアそのものを知る人すら少なく、ましてやSVTバージョンに至っては聞いたことがある人はほとんどいないだろう。

サリーンS7
このS7は、2000年にサリーン・オートモーティブ社が発表したハンドメイドのスーパーカーだ。アルミニウムとカーボンファイバーの軽量シャシーを採用し、最高出力550psの7.0L V8エンジンを搭載している。後期モデルでは最大750psを発生し、最高速度は400km/hに達した。
サリーンS7は米国のスーパーカー技術が成し得た傑作であり、世界トップクラスの性能と衝撃的なデザインは人々の記憶に残って然るべきだ。しかし、サリーンは他の有名なスーパーカーブランドに影を潜めてしまっている。



























