歴史に埋もれた米国車 40選(後編) 地味だけど大きな魅力を秘めたクルマ
公開 : 2025.10.18 11:45
ビュイック・リアッタ
ゼネラルモーターズ(GM)は80年代後半から90年代初頭にかけて、ポンティアック・フィエロやキャデラック・アランテといったスポーティな2シーター車を次々と投入した。このときビュイックから販売されたのがリアッタだ。1988年から1991年まで生産された軽快なGTである。リトラクタブルヘッドライトやデジタルダッシュボードはもちろん、ボーズ製サラウンドサウンドなど、1980年代の特徴的な装備を揃えていた。
しかし、顧客の多くは姉妹ブランドの競合車やレクサスSCのような輸入車に流れていった。ビュイックは当初、年間2万台の販売目標を掲げていたが、4年間の生産期間全体でわずかにそれを上回る台数しか売れなかった。

ダッジ・スピリットR/T
1991年のR/Tは「米国製最速セダン」と謳われたが、それには十分な根拠があった。ロータス設計のターボチャージャー付き2.2Lエンジンにより、最高出力224psと最大トルク30kg-mを発生する。
ダッジ・スピリットのR/T仕様が販売されたのはわずか2年間で、名を残すには短すぎた。また、BMW M5のような競合車に比べてはるかに地味なデザインだった。

ベクターW8
ベクター・エアロモーティブは1978年に衝撃的なW2コンセプトを発表したが、量産モデルがようやく登場するまで10年以上を要した。W8は1989年から1993年にかけて22台のみ生産された。
W8は未来的な夢のクルマだった。航空機風の操縦装置、ふんだんに使われたカーボンファイバーとケブラー素材、そして最大の目玉である600ps超のツインターボV8を搭載。ボンネビルで最高速度390km/hを記録したとも伝えられている。しかし、生産台数の少なさや信頼性の低さから、残念ながら歴史に埋もれてしまった。

GMCタイフーン
最近、高性能SUVが流行っている。だからこそGMCタイフーンは復活に値する。つまるところ、このモデルはレンジローバーと同じ要素を備えている。豪華な内装、4輪駆動の性能、優れたハンドリング、そして0-97km加速5.3秒という驚異的な加速性能だ。
タイフーンは本質的に、ピックアップトラックのGMCサイクロンにSUVボディとターボチャージャーを装着しただけのモデルだ。生産期間はわずか2年で、総生産台数は4697台に過ぎない。そのため現在では希少かつ知られざる存在となっている。



























