歴史に埋もれた米国車 40選(後編) 地味だけど大きな魅力を秘めたクルマ
公開 : 2025.10.18 11:45
フォードEXPターボクーペ
EXPは現在まで、フォードが米国で生産した最後の2人乗りコンパクトカーである。エスコートをベースにした独特なスタイルのスポーツクーペで、1982年から1988年モデルまで販売された。ヘッドライトデザインは初代サンダーバードに着想を得ている。
ベースモデルはやや非力だったが、ターボバージョンは出力を120ps、トルクを16.6kg-mまで引き上げた。これにより楽しい小型車となったものの、ホンダCR-Xのような輸入車や、ポンティアック・フィエロといった国内競合車ほど人気を得ることはできなかった。今ではほとんど忘れ去られ、過小評価されているのも無理はない。

ダッジ・ランサー・シェルビー
三菱のランサーと混同しないように。こちらは1985年から1989年まで生産されたダッジのコンパクトカーで、本質的にはクライスラー・ルバロンGTSのバッジエンジニアリング版だった。しかし、独自のパフォーマンスモデルが数種類存在する。中でも最も注目すべきはシェルビーのパフォーマンスパッケージである。
シェルビー工場で800台が生産され、1988年にクライスラーが生産を引き継いだ後さらに487台が出荷された。ランサー・シェルビーは、短いスプリング、クイックなステアリング、強化されたスタビライザーに加え、レザーシートやCDプレーヤーといった快適装備を備えている。改良型ターボIIエンジンは175psを発揮。キャロル・シェルビー自身がこのモデルを宣伝している映像があるが、今日、再評価に値する1台だ。

シボレー・ベレッタ
カマロやコルベットと同じデザインスタジオで、2ドアの低価格クーペが設計されるとは誰も思わないだろう。だが、シボレー・ベレッタはまさにそれだ。ベレッタのGTU、GTZ、Z26モデルはそれなりの性能を持ち、1990年のインディ500では公式ペースカーも務めた。
販売台数も悪くはなく、特に1988年が好調だった。しかし、ベレッタは同時代の他車ほど収集価値はなく、存在感も薄い。

イーグル・プレミア
プレミアはAMCとルノーの協業で生まれた最後のモデルである。1988年にクライスラーがAMCを買収した後、新たなイーグルブランドから販売された。イーグル自体が短命に終わったため、プレミアも今日ではあまり記憶に残っていない。しかし、AMCの血筋を引く最後のモデルとして、歴史的に重要な1台である。
抑えの利いた優雅なクルマで、驚くほど広い車内空間と、雨量を感知する自動可変速ワイパーなど数々の先進機能を備えていた。



























