【富士トリコローレ2025】エントリーは400台以上、募集後すぐに満枠!大人気欧州車イベントが7年ぶりに復活

公開 : 2025.10.18 12:05

9月29日、チンクエチェント博物館が主催する『富士トリコローレ』が7年ぶりに復活しました。欧州車であればエントリー可能なイベントで、エントリーは400台以上と大人気イベントです。内田俊一がレポートします。

欧州車であればエントリー可能

コロナ禍や会場などの問題もありしばらくはお休みをしていたが、チンクエチェント博物館が主催する『富士トリコローレ』が9月29日、7年ぶりに復活した。

エントリー台数は400台を超え、募集開始後ほどなく満枠となったというから待ち望んでいたファンが多かったのだろう。しかも欧州車であればいずれもエントリー可ということもあり、当日はイタリア車を中心に各国のクルマ達が、会場となった山梨県富士吉田市にある人材開発センター富士研修所(旧・富士カーム)に集まった。

チンクエチェント博物館が主催する『富士トリコローレ』が9月29日、7年ぶりに復活開催。
チンクエチェント博物館が主催する『富士トリコローレ』が9月29日、7年ぶりに復活開催。    内田俊一

チンクエチェント博物館は自動車文化の発展と継承のため、貴重なクルマの保存、展示、販売ととともに、富士トリコローレのようなイベントを主催。同時に各地で開催されている自動車イベントへ協賛や出展をしている。チンクエチェント博物館代表の伊藤精朗さんはイベントについてこう語っている。

「チンクエチェント博物館のイベントは『移動ミュージアム』を目指しているんです。ですから、多くの国の様々なクルマを見られるようにしたかったんですね。そしてなにより、僕がどこかに座ってそういったクルマを眺めていたいという思いが強い。だから自分のためにやっているようなものですね(笑)」

そのおかげもあってか、多くの参加者が口をそろえて、「芝生の上にクルマを展示して、その向こうに富士山が見えるのはこれ以上ない魅力」と富士トリコローレに惹かれる理由を語っていたのが印象的だった。

まさに博物館の様相

今回富士山は、朝に一瞬だけ顔を出した以外ずっと雲の中に隠れたままだったものの、広大な芝生の広場に所狭しと新旧欧州車が並ぶ様子は壮観。

中には都内から自走で会場まで駆け付けたという、1947年に製造されたフィアット・トッポリーノAや、絶滅危惧種ともいわれる初代フィアット・クロマ、しかも前期、後期が並んでいたりと、まさに博物館の様相を呈していた。

あっという間に会場を埋め尽くした参加車両。新旧欧州車が並ぶ様子は壮観。
あっという間に会場を埋め尽くした参加車両。新旧欧州車が並ぶ様子は壮観。    内田俊一

さらに、ずらりと並んだメルセデス・ベンツ190シリーズの中にフルオリジナルコンディションのモデルがいたり、木陰にはマセラティ・メラク、ディーノ208GT4、フィアット131アバルトラリーのほか、ボルボS90ロイヤルが並ぶなど、会場を隅々まで歩き回りたくなる状況で、見るものを楽しませていた。

一方こういったクルマ達だけでなく、会場の一角にはショップも出店しており、チンクエチェント博物館がある中京地区だけでなく、関東地区からも出店されていることから、来場者にとっては新たな出会いもあったようだ。

また、自動車ジャーナリストの嶋田智之さんとチンクエチェント博物館館長の深津浩之さん、そして同館アンバサダーの山本衿奈さんの普段聞けないオフレコのトークショーなども盛り上がりを見せていた。

早朝からずっと取材をしていて感じたのは、それぞれの参加者が自分で楽しみを見つけて、その環境を楽しんでいたこと。ある人はフィアット・パンダのシートを外してランチを愉しみ、ある人はキッチンカーでソフトクリームを食べ、またある人は友人たちと語り合う。会場には終始笑顔があふれていたのであった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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