マイナーな1980年代の名車&迷車 39選(前編) スターの陰に隠れてしまった不運なクルマ
公開 : 2025.11.30 11:25
ジマー・クイックシルバー(1984年)
ポール・ジマー氏は1978年、高級車製造を目的にジマー・モーターカーズ・コーポレーションを設立した。最初のモデルはネオクラシックなゴールデン・スピリットだが、1984年にはポンティアック・フィエロをベースとするクイックシルバーが登場した。中古のフィエロのシャシーを16インチ延長し、その上にグラスファイバー製ボディシェルを固定。インテリアはレザーとウッドで高級感を演出した。生産は1988年まで続いた。

UMMアルター(1984年)
ポルトガルのUMMが開発したアルターは、1984年と1986年に2つのバージョンが発売された。機能優先の設計を体現し、可能な限り広い車内空間を確保した。しかし、アルターIIの神髄は耐久性の高さにあり、1989年のパリ・ダカール・ラリーを完走した実績もある。UMMはアルテルIIの民間向けモデルも販売した(明るいビーチ向けデカールを施したモデルもある)が、ラーダ・ニーヴァと比べても質素すぎたため、大半は政府機関に納入された。1992年にヨハネ・パウロ2世がポルトガルを訪問した際には、1台が教皇専用車(ポープモービル)に改造されたほどだ。

ポンティアック・サンバード(1984年)
サンバードの歴史は、まさに適応の繰り返しだ。初代モデルは平凡で、販売も振るわなかった。しかし、サンバードGTが登場すると状況は一変した。ターボチャージャーを搭載し、GTの名にふさわしいスポーティなスタイリングを備えていた。コンバーチブルが追加されると、初年度の販売台数は倍以上に跳ね上がった。最終モデルには3.0L V6エンジンも搭載された。
だが、ベストセラーは165psの2.0L直列4気筒で、3年間変更もなく販売が続けられた。これはポンティアックの改良の法則において異例の年数だ。

クライスラー・レーザー(1984年)
1980年代はお好きだろうか? そうでないなら、納得のいくモデルをここで紹介しよう。クライスラー・レーザーはレトロな紫色の夕焼けをモチーフにカラーリングされ、デジタルメーターとエアベントは奇抜な台形デザインだった。未来感満載のクルマである。競合車種も視野に入れていた。0-100km/h加速タイムはポルシェ944や日産300ZXターボに匹敵し、しかも燃費は約15km/lを達成。さらに特筆すべきは、ターボ圧力を調整できるよう、ターボブーストゲージを装備していた点で、15万人のオーナーが熱狂した。



















