現存する米国最古の自動車メーカー ビュイックの歴史(後編) レースでの活躍、中国人気と現行モデル

公開 : 2026.01.31 11:45

フルサイズ高級セダンのパークアベニュー

エレクトラのトリムレベルだったパークアベニューは、やがて独立してフルサイズの高級セダンに発展した。1990年から2005年にかけて2世代が生産され、スーパーチャージャー付きまたは自然吸気の3.8L V6エンジンを搭載した。

2007年には中国で3代目パークアベニューが発売され、5年間販売された。その実質的な中身はホールデン・カプリスで、オーストラリアから部品を輸入し、上海で組み立てたのである。

ビュイック・パークアベニュー
ビュイック・パークアベニュー

中国におけるビュイック人気

ビュイックは長年にわたり中国で人気を博してきた。GMによれば、政治家・思想家の孫文(1866-1925年)、皇帝溥儀(1906-1967年)、周恩来首相(1898-1976年)らがビュイックのクルマを所有または使用していたという。中国ではこのステータス性が有利に働き、GMはビッグ3の中で圧倒的な成功を収めることになった。

ビュイックの中国国内生産は1999年に始まった。最初のモデルはリーガルの現地仕様車とミニバンのGL8であった。

ビュイックGL8
ビュイックGL8

ビュイック・セイルの変遷

オペルコルサをベースにしたセイルは、中国で生産・販売された初の低価格帯のビュイック車である。しかし、中国におけるビュイックの高級なブランドイメージにそぐわず、GM内で問題視された。2005年、GMは方針を転換し、ビュイックよりも若々しいイメージを持つシボレーブランドでセイルを販売するようになった。

ビュイック・セイル
ビュイック・セイル

クロスオーバー分野への参入

現代において、クロスオーバーSUVをラインナップに1台も持たないメーカーはほとんど存在しない。ビュイックも2001年、ポンティアック・アズテックの兄弟車であるランデブーを投入した。

ランデブーは風変わりな外観だったが、世界で最も醜いクルマの1つと言われているポンティアック版に比べれば、はるかに見栄えが良い。2007年に生産終了するまで、ランデブーの年間販売台数がアズテックを大きく上回っていたのは、おそらく外観が理由だろう。

ビュイック・ランデブー
ビュイック・ランデブー

新世代を代表するエンクレーブ

北米で現在ビュイックが使用する車名の中で最も歴史が長いのがエンクレーブだ。この3列シートSUVは2007年に生産を開始し、10年後に2代目へ移行した。2021年には中期改良が施されている。

また、2020年、同じプラットフォームの短縮版をベースにした2列シート仕様のエンクレーブが中国で発売されている。

ビュイック・エンクレーブ
ビュイック・エンクレーブ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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