ポルシェ911 ターボ レースから生まれた930 トルクの山が乗り手を向こう見ずに惹き込む ターボ! ブースト!(5)

公開 : 2026.02.28 17:45

乗り手を向こう見ずに惹き込むトルクの山

ミラーを覗くと、膨らんだリアフェンダー。サスペンションは引き締められ、乗り心地は硬め。頼もしいグリップ力と、速さへ比例するしなやかさが、スピードを渇望させる。

レーシングカーの917譲りのブレーキは、繊細にフィードバックを足裏へ伝えつつ、確実に速度を殺す。右足を蹴飛ばせば、ステアリングが僅かに軽くなり、慣性が身体を押さえつける。2速で引っ張れば、145km/h。地平の彼方へ突入するようだ。

ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)
ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

4000rpmで到来するトルクの山が、乗り手を向こう見ずに惹き込む。「未亡人製造機」とも呼ばれたことにうなずける。正確な操縦が、自身と充足感へ繋がる。この実力へ、畏敬の念を抱く人も多かった。

フラッグシップ・グレードと同義語に

930型911 ターボの生産は1989年まで続き、「ターボ」の高性能ぶりは広く浸透。その後、ポルシェのフラッグシップ・グレードと同義語になった、といっても過言ではない。

1978年には、FRのポルシェ924 ターボが登場。1987年にはツインターボで四輪駆動のスーパーカー、959も発表されている。911は993型、996型へ進化を重ね、豪華さと同時に限界領域は引き上げられ続けた。

ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)
ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ワイドボディに派手なリアウイング、吸い込まれそうなエアインテーク。最新のポルシェ911 ターボSも、その伝統は受け継ぐ。ポルシェのターボこそ、実環境で最速のスーパーカーだといっても、AUTOCARの読者なら納得していただけるはず。

ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)のスペック

英国価格:3万1590ポンド(新車時)/20万ポンド(約4200万円)以下(現在)
生産数:2万652台
全長:4291mm
全幅:1775mm
全高:1311mm
最高速度:260km/h
0-97km/h加速:5.1秒
燃費:5.8km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1335kg
パワートレイン:水平対向6気筒3299cc ターボチャージャー SOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/5500rpm
最大トルク:41.9kg-m/4000rpm
ギアボックス:4・5速マニュアル/後輪駆動

この続きは、ターボ! ブースト!(6)にて。

ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)
ポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

記事に関わった人々

  • 執筆

    アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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