自動車史100年の最強インフルエンサー(1) 1900年代のフォード・モデルTなど10台を選出 UK編集部が最高の1台をジャッジ!

公開 : 2026.06.27 17:45

1910年代代表:ヴォグゾール30-98(1913〜1927年)

100年以上前、一流のスポーツカーメーカーとして活躍していたヴォグゾール。30-98が代表に選ばれたのも、当然といえる。時速100マイル(約160km/h)の最高速度が主張された、英国初の量産車の原型となったサースティは、多くの記録を樹立した。

ジョセフ・ヒギンソン氏が、ヒルクライムレースで優勝できるクルマを、ヴォグゾールへ依頼したことで生まれたのがサースティ。技術者のローレンス・ポメロイ氏は、サイドバルブのA10ユニットを改造し、改良版のAタイプ用シャシーへ搭載して応えた。

1910年代代表:ヴォグゾール30-98(1913〜1927年)
1910年代代表:ヴォグゾール30-98(1913〜1927年)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)/マックス・エドレストン(Max Edleston)

納車直後のヒルクライムで、サースティは55.2秒の新記録を樹立。これは、8年間も破られなかった。その後、OEタイプへ進化した30-98は、オーバーヘッドバルブ・エンジンを搭載。最高速160km/hをうたう、真の量産車となっている。

今回ご登場願ったのは、トニー・リーズ氏が所有する1920年式。Eタイプと呼ばれる、第一次大戦後に生産されたサイドバルブの30-98となる。最初に購入したのは、アルゼンチン人で、驚くことに彼が3番目のオーナーらしい。

サーキットで速く、公道で運転しやすい

1994年にグレートブリテン島へ戻り、レストア後にクラシックカーのコンクールで優勝。世界各国のラリーイベントを戦い、リーズの元へは20年ほど前にやって来た。彼もまた、レースやラリー、家族旅行と、30-98をしっかり走らせている。

サーキットで圧倒的な速さを披露しつつ、公道では極めて運転しやすいことが、30-98の完成度を表している。恐らく、そんな強みを持った史上初のクルマだったはず。

1910年代代表:ヴォグゾール30-98(1913〜1927年)
1910年代代表:ヴォグゾール30-98(1913〜1927年)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)/マックス・エドレストン(Max Edleston)

4.5L 4気筒エンジンは太いトルクを生み、エグゾーストは心地良い響きを奏で、ステアリングは安定し操りやすい。審査員の1人、タニア・ブラウン氏は最高のスポーツカーだと称賛し、ヴィンテージ・スポーツカー・クラブ誕生へ貢献したと主張する。

スティーブンスも「有名なクルマは他にもありますが、性能的に30-98はそれらを凌駕しています」と話す。「快適性や速さ、操縦性、信頼性、サーキットでの能力など、世界最高峰だと、自分の同僚、伝説のロナルド・バーカーさんも話していました」

協力:トニー・リーズ氏

この続きは、自動車史100年の最強インフルエンサー(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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