現代性に唸るミニ、技術で弱点を克服したポルシェ911、ホットハッチを牽引したゴルフ 自動車史100年の最強インフルエンサー(3)
公開 : 2026.06.28 17:45
巧妙な技術力でリアエンジンの弱点を克服
今回ご登場願った1台は、マイク・アクソン氏が所有する1965年式。初代オーナーはアメリカ人で、2020年に彼が購入後、専門家によってレストアを受けている。エンジンは2.7Lへ拡大され、最高出力は224psへ上昇しているという。
キッドストンが振り返る。「子供の頃のガレージには、911がありました。ドアハンドルの機械的な音、車内の匂い、ダッシュボードに並ぶメーター。エンジンが始動した時の興奮。忘れられません」

ブラウンは、最も実用的なスポーツカーだと認める。スティーブンスも同意するが、「でも、すべてが間違った位置にありますよね。巧妙な技術力で、リアエンジンという弱点を克服していますが」と続ける。
クロプリーは、1960年代の代表として迷いはない。「911の魅力は性能の高さと運転のしやすさ、レイアウトの絶妙なバランス。狭くても4人乗れて、充分にコンパクトです。ヘッドライトの位置が高く、夜も見やすい。素晴らしいデザインです」
1970年代代表:フォルクスワーゲン・ゴルフ Mk1(1974〜1983年)
フォルクスワーゲン・ゴルフ Mk1が、ハッチバックを先取りしたわけではない。ルノー5やフィアット127といったコンパクトカーは、2年先に登場している。4気筒エンジンを横置きした前輪駆動も、フィアット128などで普及は進んでいた。
そもそもゴルフは、売れ行きが鈍っていた同社のビートル(タイプ1)を補完し、ライバルに対抗できるモデルとして開発された。FFハッチバックのデザインが依頼されたのは、若きジョルジェット・ジウジアーロ氏だった。

果たして1974年に、シャープなラインで構成され、現代的で実用性に長けたコンパクトカーは生み出された。そして目玉となる、スポーティなGTIも誕生。1.6Lのインジェクションエンジンは109psを獲得し、ホットハッチ・ブームを牽引した。
個性的なスタイリングにも僅かに手が加えられ、ベーシックなハッチバックを素材にしつつ、特別な存在感を与えることに成功。他メーカーの同調も誘うことになる。
各メーカーによって分解、検証されたゴルフ
今回の1982年式ゴルフ 1.5は、フォルクスワーゲンUKが維持する車両。2度の小変更を受けた後期型のMk1で、バンパーやダッシュボードなどが登場直後と異なる。
ゴルフの打ち合わせでフォルクスワーゲンを訪ねたジウジアーロは、128がバラされ部品が検証されていたと振り返っている。だがその後、完成度の高いゴルフは各メーカーによって分解、検証される側になったと、スティーブンスは振り返る。

「非常にドイツ的。スタンダードを確立し、現代的なクルマを多くの人へ初体験させたモデルでした」。と話す彼に対し、ブラウンはドライバーズカーとしての魅力を称える。「すべての面で優れていて、ヴィンテージモデルのような個性もありますよね」
「ミニが創出した特徴を受け継ぎ、本当に多くの人が使いやすいクルマへ仕上がっています。シンプルさはそのまま、大きめのパッケージングで」とクロプリーがまとめた。
協力:フォルクスワーゲンUK
この続きは、自動車史100年の最強インフルエンサー(4)にて。



















































































































































































































































