『技術の日産』が日本自動車メーカーの先陣を切る! 次世代AIディファインドビークルの現在地とは【自動車ニュースを読む】

公開 : 2026.06.24 10:00

ソフトウェア開発は経営資源面での負担が大きい

10年ほど前にメルセデスによってCASE(コネクテッド、オートノマス、シェア&サービス、エレクトリック)が提唱されて以来、ソフトウェア開発の重要度は増え続けている。しかし日本に限らず世界の歴史ある自動車メーカーにとって、新たに発生したソフトウェア開発は経営資源(人、物、金)面での負担が極めて大きい。

そんな中、ソフトウェア専門の各社と連携することが一般化しつつあり、世の中にSDVなる言葉も誕生したが、当然ながらクルマはソフトウェアだけでは成立せず、あくまでもソフトウェアはハードウェアを支える位置付けである本質に変わりはない。

自動運転の経済合理性や市場ニーズは不明瞭だ。
自動運転の経済合理性や市場ニーズは不明瞭だ。    日産自動車

SDVが支配的となるのは、例えば自動運転、エアコンの最適化、ナビゲーションであったりと、あくまでもハードウェアを司る制御領域やデジタル領域が中心だ。

つまり最終的に、『ハードがどうあれば最善であるか?』といった現実世界を決定する知見、ノウハウや職人技はエンジニアが有する。AIは活用されようとも当面はそれに取って変わるものではなく、歴史と経験に裏打ちされた技術は、今後もしばらく求められ続けるわけだ。

自動運転の経済合理性や市場ニーズは不明瞭

痛ましい事故を防ぐ安全、安心のための運転支援と、ドライバー不要を目指す自動運転の社会的意義は異なり、自動運転の経済合理性や市場ニーズは不明瞭。また、将来AIDVが一般化しソフトウェアが汎用化された時代になれば、逆にクルマのハードを極めたメーカーこそが優位に立つ可能性もある。

いずれにしても、日本にとって大きな役割を果たしていく日産のAIDV開発に際し、『技術の日産』本領発揮に期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    橋爪一仁

    Kazuhito Hashizume

    ジャーナリスト。自動車業界を経て現在はアビームコンサルティング(エグゼクティブ・フェロー)。企画業務を中心に自動車のブランド・オリジナリティ時代におけるCASE、DX×CX、セールス&マーケティング、広報、渉外、認証、R&D、工場管理、生産技術、製造等の幅広い領域を研究、アドバイザー業務を中心に活動中。特に自動車を経済と技術の側面から分析するのが専門。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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