選んだのはロータス・エリーゼではなく、正規輸入80台の超希少車『オペル・スピードスター』 エアコンなしでもこれ1台で乗り切る!

公開 : 2026.06.27 11:45

人と繋がれるのがとても楽しい

その縁が元で、様々なアドバイスをもらえるようになった。

鈴木さんは「自分は全然メカとかはわからないのですが、得意な人に教えてもらいながら整備するのは楽しいです。クルマに乗る楽しさだけではなく、それ以上に人と繋がれるのがとても楽しいんです」と話す。

2.2L直列4気筒NAエンジンを、リアミドシップに搭載。
2.2L直列4気筒NAエンジンを、リアミドシップに搭載。    内田俊一

元々丈夫なクルマではあったが、ラジエーターからの水漏れには苦労したそう。しかしこれも友人たちとカウルを脱着し、個人輸入したラジエーターに交換した。「とても苦労しましたけれど、楽しい思い出のひとつです」。

また前述のとおり、ボディもクラックがあるなど程度はいまひとつ。そこも繋がりを持った友人たちに、ケミカル用品のアドバイスをもらいながら仕上げていったそうだ。

「例えばどういう用品を使うといいのか、磨き方も力任せではなくどうしたらいいのかなど、いろいろと知識が増えていきました」

「君はこのクルマとセットだ」

こうして、当初からは見違えるように仕上がった外装を見て、最初を知っている人たちからは「とてもきれいになったね」と言ってもらえるようになったそうだ。

「元色はシルバーで、前のオーナーが白に塗り替えていました。日本に1台か2台しか白はないんです。ですから目立ちますし、希少なクルマの中でもさらに希少なカラーなので、自分では気に入っています」と鈴木さん。

「君はこのクルマとセットだ」と言われているという鈴木さん。
「君はこのクルマとセットだ」と言われているという鈴木さん。    内田俊一

そして、「君はこのクルマに一生乗り続けないとね、あるいは、君はこのクルマとセットだと言われて、もうアイデンティティのように見られているみたいです」と語った。

オープンカー生活が恋しくなった

鈴木さんが最初に購入したクルマはBMW Z4(E85型)で、次に6代目フォルクスワーゲン・ゴルフRを購入。「工業製品としてのドイツ車の素晴らしさを気づかせてくれました。まさにメートル原器のよう」と印象を語っている。

しかし独り身ゆえに、荷物はそれほど載らなくてもいい。そうするとZ4で楽しかったオープンカー生活が恋しくなってしまった。「そんな頃にスピードスターと出会ったんです」。

クルマを愛でるだけでなく、そこから繋がる縁を大切にしている。
クルマを愛でるだけでなく、そこから繋がる縁を大切にしている。    内田俊一

「(実際に乗ると)エアコンがないことは大きな欠点ですが、この1台だけで乗り切ってきました。夏以外は全然余裕で、結構懐が深いんです。5速マニュアルですが、クラッチワークをミスしてもなんとか吸収してくれる、教習車でも使えるんじゃないかぐらいの乗りやすさ。

見た目とは裏腹に、全くハードじゃないクルマです。エリーゼがカチッカチッと動くような挙動だとすれば、こちらはとてもソフト。本当に乗ってみないとわからないものですね」

また、「軽さ、低さ、風が入ってくること、暑かったり寒かったりも含めて外と繋がれることが楽しい」とこのクルマの魅力を語る。そして「いつかはスピードスターの全国オフ会をしたいですね」夢を語ってくれた。

クルマを愛でるだけでなく、そこから繋がる縁を大切にしている鈴木さん。これからも少しずつ手を入れながら、スピードスターとその仲間ともにカーライフを楽しんでいくことだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    内田千鶴子

    Chizuko Uchida

    イタリアとクルマが大好きで、1968年式のFiat 850 spider Serie2を20年以上所有。本国のクラブツーリングにも何度か参加している。イタリア旅行時は、レンタカーを借りて一人で走り回る。たまたま夫が自動車ジャーナリストだったことをきっかけに取材を手伝うことになり、写真を撮ったり、運転をしたりすることになった。地図は常にノースアップで読み、長距離試乗の時はナビを設定していても、ナビシートで常に自分で地図を見ていないと落ち着かない。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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